山海屋本舗

イスラエルとパレスチナが戦争始めちまった。

　ロシアのウクライナ侵攻とは違い、こちらは最初っからマジだ。

　イスラエルとパレスチナの関係は今に始まったことではなく、到底収まりようもない問題だ。

　なにしろ場所がよろしくない。

　三つの宗教の聖地が同じ場所なんだもの。

　キリスト教とユダヤ教とイスラム教だ。

　キリスト教とユダヤ教はまだ親和性があったかと思うんだが、ユダヤ教とイスラム教となるともうどうにもならない。

　そこにもって民族の問題も絡んできているとあってはもうどうにもなるまいよ。

　単に宗教と言ったが、日本人の感覚とはまったく異なるからな。

　日本人の大半は仏教徒ではないが、ご先祖様に手を合わせたら「なんまんだぶ」と唱えるわけ。

　日本の仏教には大きく六つの宗派があったかと思うんだが、元をたどればインドのお釈迦様にたどり着くもの。

　でも、元々、日本人って神道だと思うんだよね。

　だって、ほとんどの人は正月に初詣にいくじゃない、神社に。

　そこで「神様今年こそは．．．」って願掛けするじゃない。

　でもその数分前には除夜の鐘を聞いているわけさ。

　その数日前には「メリークリスマス」だ。

　こんな民族、他にいるか？

　というくらいに、日本人の宗教観は多様性があると言えば聞こえはいいが、まあ節操がないよな。

　しかし、あちらではそうはいかないわけ。

　それぞれ信じる宗教が絶対だもの。

　で、もう一つ、民族の問題。

　ユダヤ民族には自前の国がなかったんだよな。

　だもんで、自分たちの国を作ろうという話になったんだが、作った場所がよろしくなかった。

　先に書いた、三つの宗教の聖地が重なる場所だったわけ。

　キリスト教は多分、いまさらエルサレムに固執する必要はなかったんだよな。

　ローマがあるから。

　だけど残ったユダヤ教とイスラム教はそうはいかなかったわけで、それまではイスラム教信者の地だったところにユダヤ民族は入り込んだもんだから、そりゃ揉めるよな。

　なので、この問題、お互いが「とりあえず戦闘はやめよう」という一点でのみ停戦ができるということだ。

　で、イスラム教の周りの国が静観してくれているからなんとかなっているわけだ。

　ここはけっこう重要だと思うぞ。

　イスラム教が本気になったら中東はもう手が付けられないからな。

　なので、ここは早いとこ手打ちといって欲しいところではあるが、なんせ数千発のロケット弾で始まったからなあ。

　とても収まりどころも見つからず、ここが長引くとなると非常にまずいことになるかもな。