カテゴリ:シネマ・TV・コミック
赤壁の戦いも終わり、いよいよ面白くなってまいりました。
いや、最初からずっと面白いんですけどw 劉備もそろそろ腰を据えられそうですよ。 現在、全三巻の古い吉川三国志の二巻目を終えようとするところです。 次の読書タイムが待ち遠しいこの頃… ただ一巻目の中で非常にひっかかる一節がありました。 『草奔の巻』の『黒風白雨』と題されたところ。 呂布から辛くも逃げ、野を彷徨ううちにある猟師の家に泊めてもらうことになった劉備。 「貧しくろくなもてなしもできませんが…」 劉備の仁徳は広く民衆に知られていて、寒村の猟師さえ喜んで泊めてくれるのでした。 夕餉には肉を煮たご馳走が… 何の肉であるか劉備が問いますと、 「狼の肉でございます」 と答える猟師。 ところが翌朝台所をみると、女性が死んでいました。 劉備が問いただすと、泣き出す猟師。 もてなすものがなく、仕方なく妻を斬って煮たと語りました。 うう。 これだけでも相当なインパクトですが、劉備がこれを聞いていたく感動してるのがショックでした。 「仕官せぬや?」まで言うなど、相当傷み入った様子ですよ。 ここで、ストーリーを中断して著者の注釈が入っていました。 「多分日本人には受け入れがたいだろうが、当時の中国の道義や心情を汲んで欲しい。 さらに日本の古典『鉢の木』を思い出してみれば、両エピソードに大差があるだろうか?」と。 三国志のネタ元である中国の『三国志演義』では、この猟師の行為は絶賛されていたらしいです。 古典『鉢の木』を知ろうはずもないワタクシ。 ググってみれば鎌倉・室町の時代の美談でした。 旅の僧をもてなすのに燃やすものがなく、大事にしていた梅の木を切って煮炊きしたという男の話です。 こちらは、旅の僧は実は偉い武将であり、いざ鎌倉と武士を呼び集めた際には梅の木を燃やした男を厚く迎えたそうです。 燃料と食材。植物と人間。 同じにできますかっ! それが忠なの?義なの? 妻は了解していたのでしょうか? だとすれば更に悲しい話です。 しかし考えてみれば、三国の時代は今から1800年ほども前のお話でした。 知謀・戦術の戦国絵巻の只中。 国盗り合戦最中ですから、1つの命の重さを顧みることはなかったんでしょう。 日本はその頃弥生時代。 『魏志倭人伝』に卑弥呼の記述があるそうですが、魏とは、曹操が建てた国です。 三国志とは、気が遠くなりそうな昔の話なんですね… 人権や道徳とかが一般的になったのはつい最近のこと。 SF映画で『ソイレントグリーン』なんてのもありましたし、将来カニバリズムがタブーではなくなる時代がないとも言い切れません。 怖い話ですが…(-_-;) 平和な日本に感謝しつつ、続きを読みました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 22, 2009 01:20:06 PM
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