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カテゴリ:CDについて
現代JAZZギター界の三羽ガラス(他の二人は言うまでも無く、Pat Metheny,John Scofield)の一人、BILL FRISELLが90年に発表した野心作です。
FRISELLは、アメリカン・ミュージックの素材を使い、特有のねじれとヴォリュームペダルでもって、不思議空間を現出させるギタリストというイメージです、僕にとって。 このアルバムは僕のお気に入りのアルバムの一つで、「癒しのメロ」をコラージュ的に使いながら浮遊感漂うサウンドを展開しています。 M-7 CHAIN OF FOOLS(Aretha Franklinで有名な曲)のような曲ですら、不思議ちゃん感覚イッパイです。 この曲で顕著に表れていますが、この人のチョーキングってすごくシンパシを覚えます。他人じゃないみたいな感覚というか(笑)。 M-10のYUBA CITYの泣き叫ぶような凄まじい情念がこもったギターは、最近の人にない感じです。ヒネッたジミヘンという表現が近いかな....。 この人のトレードマーク=ヴォリュームペダル。 すごいですよ、このコントロールの巧みさ! 管楽器みたい...。 M-6のTWENTY YEARS、M-9の酒とバラの日々では、ストリングスのような使い方をも繰り出して夢心地にしてくれます。 一番好きな曲はM-8のHELLO NELLIE。 歪んだギターにペダルをかませて、表情豊かなフレーズを繰り出してくれます。まるで「しわがれ声の老人」が酒場で歌っているよう...。 FRISELL...、日本ではPatやジョンスコに比べて過小評価されている気がします。 確かにキャッチーな感じではないし、凄いテクニカルなフレーズを繰り出してくるわけではない...。でも様々な空間(無機質であったり、ヒューマンな感じであったり)を駆使できる人って稀有な存在だと思うのです。 これからも注目していきたいギタリストです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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