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2004年10月23日
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大学四年生の学園祭の時
研究室で出店を開いていた。
下っ端だった私たち四年生は昼夜を問わず働いていた。

当時の彼はちょくちょく顔を出してくれた。
忙しかった私は、ゆっくり話したりできなかったけど
分かってくれていると思っていた。

思っていたのに
信じていたのに

学園祭が終わって彼から別れを切り出された。
理由は”かまってくれなくて淋しかったから”
私は混乱した。
何故?どうして?

長い長い電話の中で他の女の子を好きになったと彼は白状した。
私の中で何かがプツンと切れた。

別れを私のせいにしたと逆上した。
包丁を持ち彼の部屋までタクシーで向かった。

早朝のタクシーの中、運転手とにこやかに会話する私がいた。
手元のバッグには包丁がしのばせてあったのに。


彼の部屋に着くと彼は部屋の隅っこでガタガタ震えて泣いていた。
殺される・・殺される・・

そんな彼を見て私は全てが終わったことを悟った。


抱きしめて欲しかったのに
嘘だと言って欲しかったのに
仲直りしたかったのに
バカなことするなと包丁を取り上げて欲しかったのに


やり場のない気持ち
行き場を失った手の中の包丁


・・気がつくと包丁を口にくわえていた





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最終更新日  2004年10月25日 10時58分10秒
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