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カテゴリ:過去 実家に戻ってから
「文句があるなら出て行け!」
そう父に怒鳴られて 「じゃあ出て行くよ!」 そう言って飛び出した高校生の冬の夜 木戸を開けて一瞬祖母の家に行こうかと考えた。 きっと父もそう考えるだろう。 どうせ祖母の家に行くに決まっている、そう思っているだろう。 祖母の家とは逆方向に伯母が一人で住んでいたアパートがあった。 そうだ、伯母さんのところへ行こう。 伯母さんの所ならすぐには見つからないだろう。 そしてきっと私を家に入れてくれるだろう。 そう思った私は1キロ近く歩いていった。 セーター一枚の身体に夜風は震えるほど冷たくて 伯母の家に着くと呼び鈴を鳴らした。 伯母はびっくりしていたが、すぐに中に入れて温かいコーヒーを入れてくれた。 伯母の彼が遊びに来ていたが、私に気を使ってすぐに帰ってくれた。 何を聞かれるでもなくぼんやりと時間だけが過ぎていった。 今日は泊まっていきなさいねとお風呂に入れてくれた。 私がお風呂から出た時伯母は電話で話をしていた。 「あなたのお父さんから。今夜はよろしくお願いしますって頭下げてたよ。」 怒って暴れていると思った・・ 伯母の話だと父は随分私を探したらしい。 なぜかホッとして眠りに落ちていった。 愛なんていらないと飛び出したあの夜の私は きっと誰よりも一番愛が欲しかったのだろう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年12月20日 10時53分04秒
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