カテゴリ:懐かし邦題アルバム
『首切り役人の美しい娘』 インクレディブル・ストリング・バンド
「The Hangman's Beautiful Daughter」 The Incredible String Band (68) A面 1. コエオアディ・ゼア - Koeeoaddi There 2. ミノトールの歌 - The Minotaur's Song 3. 魔女の帽子 - Witches Hat 4. すきまだらけの歌 - A Very Cellular Song B面 1. マーシィー・アイ・クライ・シティ - Mercy I Cry City 2. 新月のワルツ - Waltz of the New Moon 3. 水の歌 - The Water Song 4. 緑の冠 - Three Is a Green Crown 5. 風のように - Swift As the Wind 6. たそがれ - Nightfall 英国のサイケデリック・フォークバンドであるインクレディブル・ストリング・バンド(The Incredible String Band)が68年にリリースした3rdアルバム「首切り役人の美しい娘(The Hangman's Beautiful Daughter)」。原題直訳ながらインパクトのある邦題だったが、今は「ザ・ハングマンズ・ビューティフル・ドーター」となっており、曲名邦題も消えてしまった。 サイケデリック・フォーク(アシッド・フォークとも)というのは、サイケデリックなトリップ感を醸し出すフォーク・ミュージックのことだそうで、確かにこのアルバムを聴いていると不思議な感覚に陥りそうになる。 マルチトラックやオーバーダビングを活用したサイケなフォークに世界中の様々な楽器が加わり、何とも幻想的でトリップ感溢れるこの不思議なアルバムは全英で5位を記録し、グラミー賞にノミネートされたという。 使用されている楽器は一般的なギターやピアノ、ハーモニカ以外にもビートルズ(The Beatles)の楽曲にも取り入れられたインドの弦楽器・シタールや管楽器のシェナイ、北アフリカのモロッコあたりの民族楽器・ゲンブリ、中東からモロッコやギリシャで使われる撥弦楽器・ウード、鍵盤楽器のチェンバロ、木管楽器のパンパイプ(パンフルート)、元はアフリカの楽器で黒人奴隷によって米国にもたらされたというカズー、他にもティン・ホイッスル、口琴(マウスピース)、ウォーターフォン、打弦楽器のハンマー・ダルシマー、パイプオルガンやフィンガーシンバル等々、実に多彩である。 インクレディブル・ストリング・バンドはクライヴ・パーマー(Clive Palmer)、ロビン・ウィリアムソン(Robin Williamson)、マイク・ヘロン(Mike Heron)の3人により66年に結成されたが、クライヴが早々に抜けてロビンとマイクのデュオになる。「首切り役人の美しい娘」も2人の作品だ。その後はメンバーを増やして活動していたが74年に解散。99年再結成したそうだが以前ほどの高評価は得られなかったうえ03年にはロビンが脱退、結局06年にフェスで行ったコンサートが最後になったそうな。 ロビン曰く “ビートルズが「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)」(67)を、ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)が「サタニック・マジェスティーズ(Their Satanic Majesties Request)」(67)を録音する前に自分達の演奏を聴いていたのだから、インクレディブル・ストリング・バンドがこれらのアルバムに影響を与えたんだ” とのこと。 真偽の程は定かではないけど私は民族音楽系がわりと好きな方なので、このアルバムは結構好みだったりする。 「首切り役人の美しい娘」ではちょっとグロテスクな感じがして敬遠されるかもしれないが、「ザ・ハングマンズ・ビューティフル・ドーター」にしても気を引くタイトルではない。んー、勿体無いなぁ…いいアルバムなのに。 そんなインクレディブル・ストリング・バンドに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ コエオアディ・ゼア すきまだらけの歌 たそがれ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.06.03 02:21:42
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