晴れた日はコートで

　先日のＮＨＫでのウィンブルドン決勝(ナダルＶＳフェデラー)
の中継は試合時間が長くなって途中からＮＨＫ教育放送に
チャンネルが移行されたため､レコーダーに最後まで録画されず
肝心な第5セットは観ることができなかった｡

　しかしながら第2セット､４－３(フェデラーリード)で
ナダルのサービスゲームのときに見せたナダルの神懸かり的な
ショットはそれだけでも十分に決勝を観たことに値する美しい
ものだった｡フェデラーのアングルボレーでおびき出されたナダル
のショットにフェデラーはコートセンターに奥深くショットを
繰り出した｡必死に追うナダルはなんと後ろ向きのまま､リターン
を放ったのである｡この後フェデラーは再度アングルボレーで
ナダルをしとめるのだが､観客はスタンディングオベーション
で惜しみない拍手をこの芸術的なラリーに送った｡

　ゲーム終了後二人がネットに駆け寄りお互いねぎらいの
言葉を交わすお決まりのシーンがあるがここでナダルはフェデラー
に対して｢GOOD TOURNAMENT!｣と言ったあと｢SORRY!｣と言った
そうである｡試合後彼はフェデラーがいかに今回のタイトルを
取りたかったかを知っていたからだと語った｡野性的な風貌の
ナダルにして実に人間味のあるコメントだったと思う｡
この一言でますます彼のファンになってしまった｡