(↑ サウンドトラックのCD)
スピーディな展開。つぎつぎに変わる衣装のショータイムが楽しい。
それでいながら、恋とビジネスの絡み合った葛藤、困惑、苦悩、再生の心のドラマにも、ミュージカル仕立てでたっぷり時間が割かれているから、
ことばの量は少なくても、上面(うわつら)だけ撫でたのではない、スクリーンの人物像の心のひだまで感じられた。
観おわって感じるのは「歳を重ねることのすばらしさ」。
少女から女性となりそれぞれの分れ目を経てふたたび出会ったときの人間の深みが、
へたな理屈ではなく、歌そのものに託されていて、
時を重ねることのよろこびを素直に噛みしめることができる。
昭和56年から4年間、ブロードウェイで大ヒットしたミュージカルを映画化したもの。配役もぜいたくで、アメリカのショービジネスの底力をあらためて感じる。
R&Bグループ Destiny’s Child のCDは何枚かもっていてお気に入りなのだけど、そのなかでソロでも活躍しているビヨンセ・ノウルズ (Beyonce Knowles) が、こんなに魅惑的なひとだったとは。
女性誌の表紙という表紙がすべてビヨンセの写真を載せて店頭を占める情景を夢想してしまう。
エディ・マーフィ (Eddie Murphy) が歌手役で出ていて、才能全開。
そして、歌そのものの実力ということでいくと、苦労人の小太りの歌手を演じた Jennifer Hudson がみごと。
メロディーはR&Bでも、最高の演歌を聴いているような気がした。