テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:中 国 界
今やほとんどのジュース飲料やお茶に保存料を兼ねた添加物として使われているヴィタミンC(アスコルビン酸)。
添加物としてのヴィタミンCの8割が中国の工場で生産されていること、 ご存知でしたか? わたしは最近アメリカの新聞を読んで初めて知りました。 その中国のヴィタミンC工場からの廃液垂れ流しが問題化しているらしいのです。 ヴィタミンCたっぷりの健康飲料の生産が、 もとをたどれば中国の川や海に廃液を垂れ流すことで成り立っているとも言えるわけで、愕然。 中国政府が 「環境汚染に対して手をこまねいているわけではないことのPR材料」として これら工場に対する取締りを本気でやったため、 ヴィタミンC生産工場は 「年間に垂れ流してよい廃液の総量規制」をかけられた。 それで、 廃液垂れ流しが規制総量に達したところでその年度は生産中止、 という事態に追い込まれる工場が出てきた。 このため生産量が激減し、価格が高騰しているというのですね。 『クリスチャン・サイエンス・モニター』紙7月20日号の報道です。 http://www.csmonitor.com/2007/0720/p01s01-woap.html かつてヴィタミンCの生産は欧米企業6社が生産量の75%を寡占する商品で、カルテルで値段を吊り上げていた。 これに対して平成11年に米国法務省が総額15億ドル(=1800億円!)という巨額の罰金を課し、 そこへまた中国企業ががぜん安値攻勢をかけてきたため、 欧米企業は次々にヴィタミンCの生産から撤退し、 今や中国外でヴィタミンCを製造しているのはオランダのDSM社のスコットランドの工場だけだというのです。 「食」を中国の安値に頼りすぎることへの反省と、 先送りにしてきた環境汚染問題解決のツケの苦さがオーヴァーラップする。 今後、経済原理が働くことで健全な常識が取り戻されますように。 中国政府が環境規制を強化して公害工場を操業停止に追い込み、 ヴィタミンC生産量が減って、 これまで不当に安かった価格が正常化することにより 廃液垂流し工場の経営者も 「排水処理設備に投資して生産を再開しても設備投資を価格に転嫁できるから、環境規制を守ったほうがトクだ」 と判断するような そういう「常識の通じる」世界でありますように。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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