テーマ:中国&台湾(3305)
カテゴリ:中 国 界
1月11日の産経新聞が1面の企画記事で、北京市の「青空」日数が増えているという当局発表に懐疑をまじえつつ言及していた。
(ここでいう「青空」とは、汚染物質が基準値を下回った状態を指す。) ≪市環境保護観測センターは、98年に100日だった「青空」が07年には246日に増えたと胸を張る。≫ 当局発表をふまえて作られた「北京市の<青空>日数の推移」棒グラフはひたすら右肩上がりで、にわかに信じがたい。 1月9日付『ウォールストリート・ジャーナル』紙で Steven Q. Andrews 氏が、北京市当局の姑息なからくりを教えてくれた。 それによれば、「青空」判定をするために1998年から2005年までは大気観測地点として市の中心部の7ヶ所が選ばれ、同じ地点での観測が続いていた。 ところが2006年になって、交通量の多い地点の2ヶ所が観測対象からはずされ、代わりに汚染の少ない場所から3地点が追加された。 2006年と2007年の「青空」日数はそれぞれ241日と246日という発表になっている。 オリンピックの北京開催が決定した2002年の「青空」日数が203日だから、顕著な改善ぶりということになる。 ところがこれを1998年から2005年までに使われていた旧観測地点7ヶ所の観測値で判定しなおすと、どうなるか。 2006年の「青空」日数はじつは203日で、2002年当時と同じ。 発表値の241日は、観測地点を入れ替えることで「青空」を38日も水増しにした数字だった。 2007年の「青空」日数は、じつはたった191日だ。 いっぽう発表値は246日。観測地点入替えで55日も水増しされていた。 オリンピック開催地に選定された2002年に中国政府が約束した「北京市の大気汚染状況改善」は、果たされなかった。 「青空」が2002年には203日、2007年には191日だったわけだから。 オリンピック開催年には少なくとも年初からオリンピック最終日までは外国メディアによる報道の自由を保証する、というのが中国当局の約束だった。 しかし実際は報道制限や記者への嫌がらせが続いていると、ウォールストリート・ジャーナル紙は書く。 日本のスポーツ界が「全てを疑う」精神で一皮もふた皮も剥けていただけることを祈っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jan 18, 2008 12:24:56 AM
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