テーマ:中国&台湾(3305)
カテゴリ:中 国 界
むかし付き合いのあった某メーカーのひとに
「ウソも百回言えばホントになる」 が口癖のひとがいた。 昨今の中国共産党政府を見ていて、このひとを思い出した。 中国漁船 (=スパイ船) の犯罪現場のビデオを、日本政府は早く公開するべきだ。 ビデオの公開は、中国人向けではない。国際世論を日本側に引き付けるために必要なのである。 ■ 米国メディアを落とす ■ おそらく外務省が、どうすればキレイにおさまるか、外交ルートで中国側と協議しているのだろうが、ボヤボヤしている間に火がどんどん燃え盛っている。 中国共産党は、「ウソも百回言えばホントになる」 の信念をもって、米国メディアにもアプローチしている。米国の記者・評論家を陥落させれば、中国側の主張を米国通信社が世界中の新聞・テレビに広めてくれるから、力の入れどころだ。 中国側の公式の主張は 「尖閣諸島はそもそも中国領なのだから、日本の海上保安庁の巡視船がそこにいること自体が不法である。悪いのは日本側であり、中国人船長は当然、無罪である」 というもの。 だから、中国のスパイ船の犯罪現場のビデオを公開しても、日中交渉には大した決め手にならない。 中国側は百ぺんでも言うだろう。 「中国漁船には正義がある。不法な海上保安庁の船舶に衝突することがあっても、その責(せ)めは日本側が負わねばならない」。 ■ 遠交近攻 ■ おそらくこの空しさを理由にビデオ公開をためらう向きが日本政府のなかにいるのだろう。 「どうせ交渉の決め手にはならないのだから、いたずらに中国側を刺激することはない」 などと。 たしかに、ビデオを公開したところで、中国側は平然と動じぬフリをするはずだ。 しかし、米国メディアはさすがに常識が我々に近いから、犯罪現場のビデオを公開すれば、日本側についてくれる人が多いだろう。菅首相が、問題のビデオ公開を自ら行えば、インパクトは最大限だ。 外交は、そういう劇的効果も考えながらやらなければならない。軽武装をタテマエとする国家だからこそ、こういうところでネチネチと勝負する必要がある。 ■ 朝日新聞が尖閣諸島を売る日 ■ 今回のような紛争は、これからも手を変え品を変え、中国側から仕掛けてくる。 あるところで、朝日新聞あたりがこう書きはじめるのが、時間の問題のように思える。 「我々は歴史の知恵に学ばなければならない。 サハリンは、1867年から1875年まで日本・ロシアの両国の共有の地となった。江戸幕府の直轄地とされていた樺太(からふと)だったが、戦争回避のために 『領土共有』 という鋭い知恵が働いた。 現代の日本人は、幕末の知恵に学ばなければならないほど、国際感覚が鈍ってしまったようだ」 あの…、 まさかと思いますが、この想像上の朝日新聞記事にうなずいてしまう読者は、いませんよね? 領土共有で、樺太の島内では両国の住民間のもめごとが頻発し、結局は樺太・千島交換条約で日本は樺太をいったん失ったのでした。 ■ さわやかな外交など、ない ■ 尖閣諸島で日本が少しでも譲った途端、今度は先島諸島(=与那国島、西表島、石垣島、宮古島など)の領有権を中国共産党が主張しはじめるのは、目に見えているわけです。 沖縄県の領有権について清国(しんこく)は、 「琉球は清国のものである」 と主張し続けていた。日清戦争で日本に負けるまで。 尖閣諸島で日本が少しでも譲った途端、あれよあれよと言う間に中国共産党は 「日清戦争は日本による悪辣な侵略戦争であった。 琉球は中国固有の領土であり、琉球族は中国の少数民族であるにもかかわらず、日本は不法な侵略で琉球を奪った」 と大キャンペーンを始めることでしょう。 ウソも百回言えばホントになる。 だから、尖閣諸島問題をスカッとさわやかに解決したい、などと思っちゃいかんのです。 尖閣諸島があるから、まずそこで問題が起きてくれる。相手の本性が見える警告音が出る。スカッとさわやか、を夢見ないこと。 ■ 現実直視 ■ 経済界への影響について。 輸出入取引に、さしたる影響はない。中国政府が日本からの輸入の制限にまで踏み込むと、WTOがらみの問題となり多国間の場で取り上げられるから。 領土の件は二国間の問題ということで押しまくるのが、中国の基本戦略です。 日本企業は、中国への長期投資をしみじみ考え直す機会を得たことに、むしろ感謝すべきでしょう。なりふり構わぬ理不尽がときにまかり通る国であることを、横並び志向の経営者はすぐに忘れてしまうから。 中国人団体旅行のキャンセルが相次いでいることをマスコミが取り上げています。 これまた、キャンセルしてくれて救われたのかもしれない。 こういう時世、中国人集団に 付 和 雷 同 の火がつくと、「千名の中国人客が一斉に寝小便をし、生理現象だから仕方ないと言い放って弁償を拒否して帰国した」 みたいな事件が起こりかねないのですねぇ。 ■ お人よしこそ日中不友好のもと ■ こういう突拍子もない出来事を想定するのは失礼にあたるというお人よしが、ひろく日本人の特徴だ。 商社で投資の仕事をしていると、考えるべき最大限のリスクが どのあたりか見極めるよう常に叩き込まれる。 「千名がわざと寝小便をするリスク」 を真剣に想定するのは、わたしくらいのものだろうが、本業が影響しているのはたしかだ。 こういう想定を積み重ねて対処策を練っておかないと、結局はとんだ 大 幻 滅 の日中不友好ということになる。 そもそも尖閣諸島を未解決の領土問題であるかのごとく、トウ小平の口車にのった田中角栄のお人よしが、今日に至る日中不友好の禍根を残したのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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