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Oct 26, 2010
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テーマ:中国&台湾(3305)
カテゴリ:中 国 界
 「尖閣諸島への自衛隊配備」 にわたしも賛成なのですが、それを実現するためにどれほどの時間と議論が必要か。民主党政権のうちは、まともな議論すらできないでしょう。

 たかが、といっては何だが、国外にまったくノイズ (雑音) のない 「普天間基地移設問題」 でさえ、空しく時間が過ぎる。
 尖閣諸島に自衛隊配備となれば、計画段階で中国が騒ぎ外交合戦が始まる。日本国内の議論も二分されるでしょう。

 「なぁんだ、日本人にとって尖閣諸島って、国論を二分しなきゃいけない問題だったの ?!」
と、かえって海外から侮(あなど)られる種になる。

■ 重装備の機動隊配備が現実的 ■

 宮古島、石垣島、西表島(いりおもてじま)、与那国島にも、自衛隊は配備されていない。『日本の本領』 にも書きましたが、これら先島諸島は浜辺に横たわる全裸の美女さながら。
 せめて国境警備部隊として陸上自衛隊を配備するのが当然で、これまた昔から議論があるが一向に進まない。

 何が現実的かいろいろ考えました。
 素人考えと笑うかたには代案をご教示いただきたいが、民主党政権のうちにやれることと言ったら、出来る限り重装備の 「沖縄県警 機動隊」 を島ごとに置くことではなかろうか。
 漁民を装ったゲリラ攻撃・テロ活動に立ち向かうことを想定する。

 機動隊の根拠地は、直ちに自衛隊基地として使えるような面積を確保し、自衛隊も使えるように装備を整えておく。 日頃は 「沖縄県警機動隊」 の看板を掛けておき、状況しだいで防衛省に管轄を移し、看板も掛け替える。

 われながらアホなことを述べていると思いますが、こうでもしなければ宮古島や石垣島、与那国島などに自衛隊基地らしきものは すぐには作れないのではないか。
 
■ 丸紅・今村 卓 論文 ■

 さて、10月17日のブログ に引き続き、丸紅米国ワシントン事務所長・今村卓さんの報告の後半を読みましょう。
 全文はこちら: 「尖閣沖衝突事件から浮上した中国異質論

 今村論文を読む前に、わたしなりに現状のおさらいを。

 「尖閣諸島に領土問題は存在しない」 というのが日本の立場である。
 「領土問題がある」 といえば、領土の帰属について中国や台湾と正面切って 「議論」 を始めなければならなくなるから。
 「領土問題はない」 と門前払いするのが一番ラクだから、そう言い続けるのは日本の立場としては当然です。

 しかし、現実には中国が領有権の主張を取り下げる可能性は全く無い。中国にとっては 「領土問題がある」 状態。ということは、第三者である米国も 「領土問題がある」 と認識せざるをえない。
 そして、同盟国の米国の立場が 「領土問題がある」 というものである以上、日本も振舞い方を考えなければいけない。
 ……これが今村論文の底流にあるロジックです。

■ 米国の視点は日本と異なる ■

≪米国も尖閣諸島が日本の施政下にあることは認めている。しかも、尖閣諸島が米国による日本の防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条にも適用されるとの見解を示している。
しかし、その尖閣諸島に対しては中国も領有権を主張している。

日・中 の 領 土 問 題 に 介 入 し な い 方 針 である米国は、日本と中国 そ れ ぞ れ の 主 張 の 存 在 を 認 め、日本の施政下にあり日米安保が適用される尖閣諸島に日・中 の 領 土 問 題 が あ る という認識をもっている。≫

 言われてみれば当然の内容だけど、ぼくはここを読んでゾクーッとしましたね。
「領土問題が存在しない」 というのは、日本にとって便利な、日本だけの立場なわけですね。
 第三国は、日・中の領土問題に介入したくなければ、「領土問題はある」 という立場に立たざるを得ない。

≪領土問題を認めるか否かで、日本の中国船長逮捕に対する認識は大きく変わる。

日本にとっては自国領海での公務執行妨害逮捕という当然の行為であり、国内問題への対応である。
これに対して米国政府は、日・中の領土問題がある中、日本による船長逮捕を そ れ だ け で 日 中 間 の 緊 張 を 高 め て 軍 事 衝 突 を 誘 発 し か ね な い 非 常 に 危 険 な 行 為 と捉えた。≫

≪船長の拘留が長期化してその先に起訴や有罪判決があれば、中国の強硬姿勢は極めて危険な水準に達し、それに日本も対抗することで緊張が極度に高まり、今度こそ軍事衝突の危険が迫ると米国政府は懸念していたと考えられる。≫

■ 日本政府も内部では領土問題の存在を認めるしかない ■

≪したがって船長釈放によって対話実現へ前進した日本は賢明な対応であったとして評価の対象になる。
逆に、釈放後も謝罪と賠償を求め続け、4邦人拘束を続ける中国は 「対話の席に着こうとしない困った存在」 と米国には映り、牽制・批判の対象へと陥っていく。

中国が強硬姿勢を続ければ続けるほど、米国内の中国への批判は強まることになる。≫

 今村 卓さんの文章は、今から1ヶ月前の9月29日に発表されたものであることにご留意ください。

≪日本政府の 「領土問題は存在しない」 という主張は、日本が中国の主張を認めないと言っているに過ぎない。
領土問題を消滅させるには、中国に領有権の主張を撤回させるしかないが、そんなことは現実には無理である。

日本政府としては、中国との交渉入りの可能性を排除するために 「領土問題は存在しない」 と宣言し続ける一方で、政府内部では領土問題の存在を認め、日中間の緊張を高めないように細心の注意を払った対応をしていくしかない。≫

■ 公務執行妨害でなく、殺人未遂を問うていたら… ■

 暴力船長の公務執行妨害行為は、殺人未遂レベルの行為だったとも伝えられます。

 「公務」 執行妨害を問うならば、犯罪の現場が日本領か中国領かが最大の焦点となるわけです。
 船長から見れば、中国領である尖閣諸島において海上保安庁による 「公務」 は存在しないから、いきなり議論は、日中間の急所に来てしまう。

 しかし、もし犯罪状況ビデオを早期に公開し、公務執行妨害ではなく 「殺人未遂」 あるいは 「傷害 (未遂)」 の罪で問えば、別の展開がありえたのではないか。いまだにそこが残念です。



 冒頭に
≪「尖閣諸島への自衛隊配備」 にわたしも賛成なのですが、≫
と書きましたが、「尖閣諸島に領土問題あり」 が国際常識とすれば、自衛隊配備は極めてハードルが高い。
 沖縄県警の機動隊を最大限に展開するしかない。来年度予算に至急盛り込んでほしいものです。

(平成22年10月25日付の配信コラムを転載)





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最終更新日  Oct 26, 2010 08:27:59 AM
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