テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:中 国 界
今年もまた出た。
≪中国の連休商戦、売上高15%増≫ 9月30日~10月7日の中国の連休中の小売・飲食業の売上高が前年比15%増の約8,006億元 (=約9兆9,000億円) になった、と10月7日に中国・商務省が発表した、とマジで伝える10月8日朝刊の日経記事だ。今年は囲み記事ではなく、短信欄だったがね。 せめて見出しを括弧つきで ≪「中国の連休商戦、売上15%増」≫ と打っていたら、まだ救いがあるのだが。 中国政府の統計数値と日経の中国報道がいかにいい加減かを証明する事例として、ぼくはこの話をすることがある。 というのは、これって今年はじまったことじゃないんだよ。 平成21年10月9日のブログにも、 10月1~8日の中国全土の小売売上高を10月8日の夜に発表するために休日返上で働いた中国商務省の官僚 (笑) というのを書いているので、ご覧ください。 ちなみに平成21年には小売売上高の上昇は前年比約18%だった、そうだ。 日本でも、選挙の開票速報で、票読みが始まった途端に 「当確」 を打つことがよくある。あれは事前の調査に基づいて報じているのだけど、さすがに得票数を推測値で報じることはない。 今年の中国商務省の発表は、「約8,006億元」 と端数がついているのが泣かせるね。 最後の 「6」 は、まったく意味のない数字だと思うけど。 (日経の誤植でないことは、“8006億元” で検索すると他メディアの記事が出ることで確認できる。) 組織で働いているひとなら直感でわかるけど、9月30日~10月7日の小売売上高の集計値を、休日返上で役所があつめるはずがない。 役所どころか、商工会だって集計していないだろう。 商工会どころか、小売店・飲食店レベルの集計もおおかた できていないだろう。 すべては予想値、推測値、希望値だ。中国政府が 「15%増」 を前もって望んでいたということはわかるので、その一点では意味のある報道だろうけど。 ま、日経記者ご苦労さん。 日本経済新聞 平成24年10月8日7面 (短信欄) ≪中国の連休商戦、売上高15%増 【北京=島田学】 中国商務省は7日、国慶節 (建国記念日) に伴う大型連休 (9月30日~10月7日) 期間中の小売・飲食業の売上高 (速報値) が前年同期比15%増の約8,006億元 (約9兆9,000億円) になったと発表した。 中国の国営中央テレビが伝えた。 景気の先行きへの不安が広がる中で、個人消費の底堅さをうかがわせた。 伸び率は2011年の17.5%増と比べて鈍化した。 また、大型連休が7日間だった前年と比べて今年は8日間と1日長かった。単純に7日分に換算すると伸び率は1%未満となる計算。 消費は連休中の旅行や飲食に伴うものが中心。金銀など宝石類や高級ブランド服、デジタル家電など高額商品の売れ行きも良かったという。 中国では9~10月が1年で最大の商戦期。≫ 「景気の先行きへの不安が広がる中で、個人消費の底堅さをうかがわせた。」 と、日経記者がコメントを挿入している。この時点で日経は中国政府のプロパガンダに協力したことになる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Oct 9, 2012 07:30:36 AM
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