テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:中 国 界
10月23日の産経新聞に、大野敏明さんが 「from Editor」 欄に 「南京取り立て裁判の怪」 と題して書いている。
≪11月9日に東京地裁で奇妙な裁判が始まる。≫ 老中国人女性が、南京事件について書いた本の著者と出版社・展転社のことを南京の人民法院に訴え、賠償を命じる判決が即日に下りた。 中国の裁判所は日本で判決を執行することはできないが、 ≪この中国人女性は、こともあろうに東京地裁に強制執行を求める訴訟を起こしたのである。≫ ≪もし、今回の裁判で中国人女性の訴えが認められると、南京の法院で一方的に下された判決が、日本でも有効とされ執行されるという、とんでもないことになってしまう。≫ * ひとごとと思えなかった。 わたしの 『中国人に会う前に読もう』 も穏当な本だが、たとえば 「泉幸男が著書のなかで 『中国でも国政選挙を実施すべきだ』 と書いていることに、中国共産党員として精神的苦痛を受けた」 と中国人が人民法院に著者と勤務先を訴えて、集団訴訟を起こすことも、理屈では可能だ。 わたしは中国に資産をもっていないが、勤務先の中国資産が賠償命令後の差し押さえ対象になりうる。 そのとき勤務先はわたしに対してどう出てくるだろうか。 「中国について中国共産党の意向に反する本を書くのはけしからん」 と会社が言えば、わたしは 「社員の個人的な言論を雇用主が封殺できるなら、究極的には社員の選挙投票を雇用主がコントロールしてよいという理屈になる。そんな法理はない」 と反論する。 「中国の資産を差し押さえられて、会社に迷惑をかけた。どうしてくれる」 と会社が言えば、わたしは 「中国リスクがよくわかったでしょう。わたしに感謝すべきは会社のほうではないですか」 と答える。 会社としては、わたしへの企業年金支給停止を最終兵器として、わたしと戦うこともできる。 これに対してわたしは 「会社にもっと多大な迷惑をかけている社員がいっぱいいるのに、のうのうと出世している。会社の判断は公正を欠く」 と言って、裁判も辞さないだろう。 あろうことか、わたしは有名人になり、これは逸材だと評価してくれる私立大学で教授のポストを得る…… ……みたいなことまで考えて、本は出していますが、展転社の松村俊夫著 『 「南京虐殺」 への大疑問』 のケースは、ほんとにこれが起こってしまったわけである。 * 南京取り立て裁判の件は、鈴木信行の維新通信 「ガンバレ展転社!支那から言論の自由を守れ!」(平241025) に詳しく書かれているので、ご参照ください。 産経紙上の大野敏明さんの一文も転載されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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