カテゴリ:映画・演劇(とりわけミュージカル)評
この土・日・月は、黄金の芝居3連チャンでした。
いずれも一級一流のストレートプレイ (話劇) で、ぼくのことばでいえば、脳内配線のつなげ違いからヒュッ、シュッと火花が出、やがてめらめら燃え上がる感じ。 この緊張とワクワクと、役者さんひとりひとりのキャラ作りの格闘を見る楽しさと、あぁ、これはもうお芝居でなきゃ絶対に味わえませんね。 ぼくの演劇メモから転載します。3つのお芝居が連句のようにつながっているでしょ。 241103 るつぼ @ 新国立劇場小劇場 Arthur Miller 作、水谷八也(みずたに・はちや)訳、演出: 宮田慶子、出演: 鈴木 杏(あん)、池内博之、浅野雅博、磯部 勉、田中利花、栗田桃子、関時男 (不倫相手の妻を魔女呼ばわりして陥れるアビゲイル・ウィリアムズは、本格女優がぜひ演じたい役だろう。虚実のひだを自らつくり、正気として狂気を演じる女を演じるとき、何重もの入れ子構造に立ち向かうことになる。そのアビゲイルを演じた鈴木杏さん、みごとだった。原作 The Crucible は、昭和28年にトニー賞を受賞した。ユダヤ系ポーランド移民の子アーサー・ミラーが38歳のとき。本格演劇では今年見たなかのピカ一だった。) 241104 欺瞞と戯言(たわごと) @ 本多劇場 中津留章仁 作、出演: 竹下景子、下條アトム、長谷川初範(はつのり)、真山章志、岸田 茜 (華族・滝川一族に入り組むひびが、崩壊をもたらしつつ再生の予感を残す作劇は、三島由紀夫を連想させた。一族に嫁ぐ銀行家令嬢を岸田茜さんが演じたが、笹本玲奈さんのような美しい微笑と表情の豊かさに、すっかり心を奪われた。天性の美貌とキレのある演技。前作 「重力」 でも魅力を感じたけれど、今回もう重度のファンになってしまった。みごとな芝居を1列目で見た後、トムトム倶楽部のバックステージツアーとアフタートークがあり、前日の 「るつぼ」 に引き続き、最高の演劇日だった。経歴を見ると岸田茜さんは平成21年に演劇研修所試演会で 「るつぼ」 のアビゲイル役を演じている。彼女のアビゲイル、ぜひ観てみたい。) 241105 こどもの一生 @ パルコ劇場 中島らも 作、演出: G2、出演: 谷原章介、吉田鋼太郎、中越典子、笹本玲奈、山内圭哉 (ケータイ圏外の島の病院に、心を病んで集められた5人が、10歳の子供 (…という設定だが、あの演出は8歳だと思う) に引き戻すストレス解消療法を受ける内、軌道が外れてホラーへ。鋼太郎さん演じる傲慢中年が子供に溶解する瞬間が絶品; 子供って、何なんでしょ? 5人の子供演じがよくできていて、こりゃ芝居じゃなけりゃ味わえない; テレビでこれをやると、高等ふざけで終わる。笹本玲奈さんは、家電量販店で働いて家電品ノイローゼになった女性の役でした。このお芝居は、あと2回観ます。進化が楽しみ。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Nov 6, 2012 08:20:11 AM
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