テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:中 国 界
中国には環境規制はあるけれど、国内企業への罰金が甘い。告発する声も抑えつけられる。企業経営の利権が、政権と一体になっているからで、今日のすさまじい大気汚染も経済原理の結果だ。
「中国は経済 “成長” する以前に環境 “没落” していて、“成長率8%”も環境汚染で食いつぶされている」 と、ずっと思っていた。 8年前の平成17年の、ひとさまのブログに 「中国の7色に輝く河川と食品」 というのがあり、ブログのブックマーク欄にずっと貼り付けてある。 当時の中国の環境問題を端的に総括してある。ひどいものだ。写真の撮影場所・日時や情報の入手元表示に乏しいのが難点だが。 それにしても、今年のように大気汚染が急速に悪化しようとは。 風が吹けば しのげると、中国共産党は考えていたろう。発電所や工場が利益を上げて、そのカネが共産党幹部に湯水のように流れ込んだほうがいい。 環境保護のための設備に投資すれば解決できるのは、当然だ。いまの科学技術をつかえば解決できる問題だが、環境保護のために投資する動機 (インセンティヴ) がない。 環境基準はあっても、完璧なるザルだから。 2月5日の 「ウォールストリート・ジャーナル」 に、北京在住の環境・法務コンサルタントの Steve Q. Andrews が寄稿していて、それによれば ≪In China, the maximum statutory fine for refusing to report emissions data is only 50,000 yuan ($7,653) and penalties for exceeding emission standards can only reach twice that at 100,000 yuan.≫ ≪中国では、排気データの報告を拒むことに対する法定罰金の最高額が、たったの5万元。 そして、排気が環境基準をオーバーすることに対する罰金は、そのたった2倍の10万元でしかない。≫ 5万元といえば、75万円。10万元は150万円。わたしでもポイと払えなくはない額だ。企業にとってはゴミのような金額。これでは環境保護設備を入れる気にならない。 この罰金より何桁も多いカネが、工場幹部から中国共産党へ流れているだろうと、ぼくは思いますが。 権力構造内の 「三権分立」 以前に、そもそも政界と産業界と報道界が中国共産党によって一括りにされているから、人民のための政治になりようがない。 三権分立以前に、政界・産業界・報道界の “三界分立” を実現しないと、社会のチェック・アンド・バランスが働かないということだ。 Steven Q. Andrews 氏の記事の題名は、 How Beijing Hid the Smog. China can reverse its air pollution nightmare by committing to real transparency and enforcement. (北京政府のスモッグ隠し術 真の透明性と法規制の徹底があれば、中国は大気汚染の悪夢を克服できる) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Feb 8, 2013 07:14:19 AM
コメント(0) | コメントを書く
[中 国 界] カテゴリの最新記事
|
|