テーマ:中国&台湾(3303)
カテゴリ:中 国 界
NHK ドラマ 「メイドインジャパン」 のオチは、特許侵害した中国メーカーと争った挙句、訴訟を引っ込めて合辨(ごうべん)工場を立ち上げるというものだった。
中国当局の協力を得て撮影するドラマが日中対立で終わるはずがないので、ひょっとしてそういう結末ではと予想もしつつ見ていたのだが、実際にそういうオチだと、あっけない。 この展開はかつてホンダが、模倣品を製造して市場を荒らす中国企業を逆に買収して育て、自社の製品供給元に進化させてしまった事例を参考にしたものと言える。 中国企業が買収されるのでは中国当局の OK が出るはずがないから、相互互恵(そうごごけい)の合辨工場となった。 それはさておき、ドラマの出来はみごとだった。俳優さんひとりひとりの演技が映画なみの深さで、歴史ものの大河ドラマよりよくできていた。 太田裕美さんの歌うタクミ電機の CM ソングも、耳にのこる。 自分が懸命に開発したもののタクミ電機にお蔵入りにされたリチウム電池素材技術を生かすべく、中国の電機メーカーのライシェに新天地を求め、法的には特許侵害をしてしまう迫田(さこた)貴弘を演じる高橋克実さんがすばらしい。 万感の思いをほとばしらせる記者会見のシーンは、正座して見てしまった。 西山工場長を演じる國村 隼さんも、いい味だしていて、あこがれた。 唐沢寿明さん演じる主人公の矢作(やはぎ)篤志の妻、矢作美保子を演じた大塚寧々さんがいい。陰のあるうつくしさ、間の取り方、心のひだがしっとりと表出された。 迫田のように、日本の技術を中国に貢いで、ひっそりと消えていった、というより、巧妙に存在を消された大勢の日本人のことに思いをはせた。 満洲帝国の崩壊後に、八路軍に投じた若き日本人たちのこと。 中国共産党が中国国民党に勝利したのは、日本軍から鹵獲(ろかく)した兵器と、日本軍将兵から得た戦術の智慧によるものだったろうと、わたしは信じている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Feb 13, 2013 08:22:45 AM
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