カテゴリ:映画・演劇(とりわけミュージカル)評
朝日カルチャーセンター (新宿) で、女優・笹本玲奈さんを囲む鼎談レクチャーがありました。題して、生きている 「ジャンヌ」 を。
9月5~24日、世田谷パブリックシアター 「ジャンヌ」 公演の連動企画です。 演劇を心底愛するシェークスピアの大家であられる小田島雄志先生は、御年82歳ですが、ユーモアがにじみ出てくるお人柄は変わらない。 演出家の鵜山 仁さんは60歳ですって、見かけも物腰も全然若いんですけど。 笹本玲奈さんの話からポイントを拾うと ―― 「ジャンヌ・ダルクに以前は、いろんなひとが伝説をちりばめて作り上げた人間像のような印象をもっていましたが、今回バーナード・ショー作品を通じて現実に生きていた人だと確信できました。 強い性格のひとですが、戦いに行く直前に泣いてしまうのがかわいらしい。 弱いところも見せていいというのが、やりがいにつながっています。鵜山さんからも笹本の見せ場だと言われていますし。 あと、揺れ動く男たち、ですけれど、エピローグのシーンがかわいいと思います」 Q&Aタイムにぼくも質問させてもらいました。 泉 「小田島先生もいらっしゃるので、シェークスピア劇の質問です。笹本玲奈さんがシェークスピア作品に出るとしたら、どの役をやりたいですか。また、おふたりの先生方は笹本さんにどの役をやらせたいですか」 小田島先生 「笹本さんは既にオフィーリアをやってるんですよ。ぼくの翻訳をつかった 『ハゲレット』 っていうお芝居で。あれでもう満足ってところはあるんだけどね。 『十二夜』 の男装の役なんかもいいな。(笹本さんに向かって) あなた、よく、宝塚行かなかったね」 笹本さん 「シェークスピアは、喜劇が好きですね。『真夏の夜の夢』 とか。 あかるい作品に出てみたいです」 鵜山さん 「 『お気に召すまま』 のロザリンなんか、いいな。 笹本さんは息が長いし、よくしゃべるから、シェークスピア作品の長いセリフとか聞いてみたいなぁ。ミュージカルに出るなとは言わないけど、ストレートプレイもやらせたいな。 うん、シェークスピア劇、これからもいろいろやりますから、全作品に出てみたらどう?」 すごいことになりました! ぼくの質問が笹本さんシェークスピア女優への道の露払いになったなら、名誉なことです。 他にも、いい質問がありました。 質問A 「7月にオルレアンに行かれて、何を感じましたか」 笹本さん 「オルレアンでは、川や木々の色など、ジャンヌもきっと見ていた自然の姿を目に焼き付けました。 セリフを言うとき、東京の風景ではなく、その土地の絵が浮かんでくるのは、とても力になります。 ジャンヌの頃には、いまより建物も低くて、空はずっと大きく明るく、木々も青々としていたと思います。日本にない植物にも肌で触れてきました」 質問B 「ジャンヌと自分が似ていると思うところは、何ですか」 笹本さん 「頑固なところです。自分の意見を曲げたくないところが似ています」 ここで小田島先生が、エポニーヌのことを話題にします。 笹本さん 「エポニーヌは、頑固というより一途(いちづ)ですね。でも、思いを曲げないところは共通しています」 きょうも笹本玲奈さんはリラックスしていて美しかったし、話も理知的で、魅力にあふれていました。 鵜山さんのお話を聞きながら、ぼくも朗読劇画、まだまだ続けなきゃ! と思いました。 ぼくより6歳上の鵜山さんのしなやかさに、勇気をいただきました。 小田島先生の締めがよかったですねぇ。 「週刊朝日の記者といっしょに、むかしオルレアンに行ったんですよ。オルレアンって、街の至るところにジャンヌの銅像があるわけです。 そしたら、記者が 『先生、これはジャンヌ・ダラケですね』 」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Aug 10, 2013 07:57:50 PM
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