カテゴリ:映画・演劇(とりわけミュージカル)評
バーナード・ショー作、鵜山 仁・演出、笹本玲奈主演の 「ジャンヌ」 が快調です。9月24日が東京・三軒茶屋の千穐楽。
このジャンヌ、よく言えば天真爛漫でひとを惹きつけ、わるく言えば純粋無垢すぎて図々しい。 ちらしに使われた笹本ジャンヌの写真は悲壮ですが、そういうジャンヌはたぶん5%ほど。舞台上のジャンヌの70%くらいは、ぴちぴち感がはじける、笑顔で瞳が輝くジャンヌなのです。 男装を貫きとおし火あぶりになる役どころなのに、女・笹本玲奈の美しさがあふれる舞台となっております。 9月7日、18日と観劇しました。7日も二重丸でしたが、18日にはさらに役者さん同士が根をはり枝を広げて絡み合って、パワーが2割増し。 ラッキーにもアフタートークがありました。 演出助手の稲葉賀恵(かえ)さんの司会で、演出家・鵜山 仁さんと、笹本玲奈さん、伊礼彼方さん、馬場 徹さん。 稲葉さんが 「笹本さんはプライベートでもジャンヌに似てきたという評判ですが……」 「え ? あたし、嫌われてるの ?」 のっけから笑いをとった玲奈ちゃんでした。 そうなのです。バーナード・ショーの 「ジャンヌ」 では、エピローグで男たちが語り合い、ジャンヌのことを全肯定しつつも、もしもジャンヌが復活したらと問われると一同が拒否の反応を見せる、辛口の小さなどんでん返しがある。 笹本 「エピローグのシーンがよく分かってなかったのですが、お客さんの前で演じてみて客席の笑い声にびっくりした。あっ、エピローグは、笑っていいとこなんだなって」 鵜山 仁さんの演出指導に話題が移ります。 稲葉 「今回のこの3名は皆、鵜山さんの演出で芝居をするのは初めてですが……」 鵜山 「ちゃんと話を伝えるのに、あと10年くらいかかるだろうね。30年いっしょに仕事している人たちとも、ちゃんとコミュニケーションとれてないんだよ (客席 笑) 手さぐりなんだ」 伊礼 「自分が言われていることはよく分からないんですが、他(ひと)が言われていることは分かるような気がする。鵜山さんがシャルル役の浅野雅博さんに 『ここ、太字でしゃべって!』 と言ったら、そのあと浅野さんのセリフが太字に聞こえたんです (客席 笑) 」 笹本 「鵜山さんって、すごく役者さんだなと思う時間がありました。最初、セリフの読みの稽古を鵜山さんと 1 対 1 でやったとき、わたしの他の人たちのセリフを全部鵜山さんが読み分けていくんですが、ほんとに、役者さんだなと思って。そしたら、実際に舞台に立っていらしたこともあったと知ってびっくりしたんです。じつは歌も上手なんです、カウンターテナーで」 稲葉 「鵜山さん、披露なさいませんか (会場拍手) 」 鵜山 「ぜったい、やりません。先輩がたと、歌は歌わないと、そういう契約になっているので」 そのあと稲葉さんから男性陣には 「もしも現代にジャンヌがいたら、近いところにいたら、どうする ?」 笹本さんには 「エピローグの男性たちのなかで、誰がいちばんかわいらしい ?」 馬場 「ぼく、エピローグに出てないし。稽古のあいだも笹本さんとはあまり話したことなくて、今日ここではじめて話したくらいですが。ぼくって、どうスか ? ぼくって、可能性って、ないスか ?」 笹本 「(稲葉さんに向かって) ……あの……青ひげさん (馬場役) はマント姿がびっくりするくらいカッコいいんです。ディズニーランドから来たんじゃないかって感じで。あれは、女性としては ときめきますよね」 この日の笹本玲奈さんは、髪はポニーテールで、紺色縦縞のブラウスに黒スカート。黒いブーツは金色の金具がアクセントをつけていました。 芝居中の玲奈さんは男装ということで金髪のショートカットですが、かつらの下に長い髪が隠れていたんですね。 伊礼彼方さんを過去に観た舞台は、ちょっと冷淡で取り澄ました役どころばかりだったので、素(す)の伊礼さんもそういうひとかと想像していたら、ワイルドはちゃめちゃタイプの青年だったのは意外でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Sep 22, 2013 01:07:11 AM
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