テーマ:中国&台湾(3302)
カテゴリ:中 国 界
べつに外国語ができればいいというものではないけれど、中国通を売りにしているひとが中国語ができないとなると、問題でしょう。宮崎正弘さんが、そのひとり。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成27年5月28日(通算第4554号)に、宮崎さん(と称するひと)が以下のように書いている。あまりに「誤り率」が高い。 ≪(宮崎正弘のコメント) チャンカイシェックは上海語の発音です。北京語ではチャンケシーです。現地の読み方をルビをふって表現できるのは日本語くらいでしょう。 日本の新聞も基本的には現地読みですが、そのルビは教科書的な標準に依拠しているため、やはり現地の流行の発音とは隔たりがあります。 たとえばポーランドでワレサ議長のことを言っても通じない。連帯の議長だというと、 「あ、あれはヴァレンツァというのだ」 と言われたり。 中国語にはカタカナがないので、すべて似通った漢字を当てます。するとレーガンは中国大陸では「黒根」、台湾は「雷根」と表記していました。ケリー国務長官は「克里」です。 日本の首相はそのまま漢字表記ですが、発音が違うので会話をしていても、聞き取りが難しいことがあります。小泉はシャオチュアン、安部はアンウーですからね。 ともかくルビに関しては複雑系です。≫ いちおう指摘しておくと、“蒋介石” が「チャン・カイシェク Chiang Kai-shek」と呼びならわされているが、この「チャン Chiang」は北京語読み、「カイシェク Kai-shek」は広東語読みに由来する。 北京語で “蒋介石” を発音すると、「チアン・チエシー」。ぜったいに「チャンケシー」とはならない。宮崎さんは “介” という基本漢字の正確な発音を知らないようだ。“介紹” (=紹介)という基本語彙を宮崎さんは「ケシャオ」と誤読しているのだろうか。よくそんな程度の中国語で、中国で取材活動ができるものだ。通訳を使ってるのでしょうね。 ワレサ Walesa の綴りはポーランド語特有の文字が2つも入り、発音は「ヴァウェンサ」となる。逆立ちしても「ヴァレンツァ」とは発音しない。 レーガン Reagan は、中国では “里根” で「リーケン」という発音。宮崎正弘さんが書いた “黒根” は書き誤りだが、ワープロ変換ミスでないことはあきらか。「里」を書こうとして「黒」と打ってしまった? ありえないミスだ。本人はホントに “黒根” と書くと思っているのだろう。ちなみに “黒根” は「ヘイケン」と発音する。 首相の名くらい、「安部」でなく「安倍」と書いてほしいが、“安部” なら「アンプー」、“安倍” なら「アンペイ」という発音である。宮崎正弘さんの「アンウー」はワープロ変換ミスかもしれないが、すくなくとも「アンペイ」という正しい発音を宮崎さんがぜったいしていないことは理解できた。 つくづく語学の才のないひとだということはよくわかった。宮崎正弘さんの中国評論は基本的にまともなことを言っていると思うし、そこは批判しないけれども、基本がこうだとガックリくる。 これが初めてではない。有名なアーティストの “艾未未” を「アイ・メイメイ」と呼んだのも宮崎正弘さん。正確には北京語では「アイ・ウェイウェイ」。 基本漢字の “未” さえ正確に読めないということは、“未来” のような基本語彙も「ウェイライ」ではなく「メイライ」と誤読していたということだ。 宮崎正弘さん、いちどみんなの前で中国語をしゃべってみてください。 宮崎さんの情報収集力はなかなかのものとは思うが、チームで活動されているのだろう。それはそれで結構だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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