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関本洋司のblog

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関本洋司

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2004年09月07日
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カテゴリ:アーカイブ
 アメリカ先住民族(イロコイ連邦)の知恵が、今日のアメリカ合衆国憲法に採用され、活かされたという説があります(貢献説)。その「知恵」をより具体的に言うなら、「連合」「連邦」という理念を謳った複数の部族間の憲法であり、その内容はプルードンの言うような、契約後も個人が捨象されない相互契約ということになります。
 その貢献が事実であることは、最近の研究の成果で、ほぼ歴史的に証明されています。以下、この問題に詳しい、星川淳さんの著作より引用させていただきます。星川さんのその後の指摘では、その理念は日本の平和憲法、第九条にも受け継がれていると云うことになります。

 大いなる平和の樹---イロコイ連邦のシンボル

 いまから一〇〇〇年ほど前にイロコイ五部族(のちに六部族)連邦が結成されたとき、連邦の末永き存続を象徴するために一本の常緑樹(ホワイトパインという五葉松の一種)が選ばれた。父(引用者注:共著者ポーラ・アンダーウッドの父親)の説明によれば、たくさんの松葉は各部族内の大勢の個人を表わす。松葉のまとまりは家族、それを支える小枝(クラン)は氏族、それらが大枝に結束したものが部族全体である。大いなる樹の幹は連邦を表わし、私たちを育む生命の二側面である大地と大空の合一を象徴する。
 樹がなければ個々の松葉は生きていけないし、また逆に個々の松葉がなければ樹が死んでしまう。ホワイトパインの常緑たるゆえんは、松葉が永遠に生き続けるからではなく、三年間枯れないからだという。一族にとって、これは祖父母と両親と孫の三世代を表わす。先立つ世代に生えた針状菓は樹から落ち、根の養分になった。まだ生まれぬ未来の世代は新芽で表わされる。そうして、この(大いなる平和の樹)は生き続けてきた。
 この樹から四つの方角を象徴する四本の(平和の白い根)が伸び広がった。五部族はそれぞれ根の下に戦闘用まさかりを埋め、互いに二度と戟をしかけないことを誓った。一族はこの樹のてっぺんに鷲をとまらせたが、それは空高く舞い上がる鷲が、変化を遠くから見通して一族に教え、互いに相談して適切な行動をとる時間を与えてくれるからだ。
 主な決定はすべて、七世代後への影響まで考えて下された。いま行なう決定が孫のまた孫たちにどんな影響をおよぼすだろう? そして、そのまた子どもたちには?
 この生きた常緑樹は、イロコイの連邦組織を象徴していた。それは(亀の島---アメリカ先住民が北米大陸を呼ぶ名)の東海岸ぞいに存在したいくつかの民主的な先住民同盟のうち、もっとも高度な発展をとげていた。イロコイ連邦に通じていたベンジャミン・フランクリンは、それを手本に一七五四年のオルバニー連合案を作ったとされる。この案がニューヨーク植民地(のち州)憲法の下地となり、十三の植民地が団結する合州国の連合規約につながっていった。連合規約の多くの要素が現在の合州国憲法に取り入れられ、イロコイの平和の法と私たちの憲法とを一本の糸でとぎれなく結びつけているのだ。

『小さな国の大いなる知恵』
ポーラ・アンダーウッド、星川淳共著、翔泳社(p161-162)より

他の参考書:『アメリカ先住民の貢献』(パピルス社)、モルガン『古代社会』、エンゲルス『家族・私有財産・国家の起源』他






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最終更新日  2004年09月08日 05時04分50秒
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