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関本洋司

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2004年09月11日
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カテゴリ:コラム
 先日(9日)に青山の国連大学に辻信一さんを招いて、沖縄を考えるシンポジウムがありました。
 自然とともに充実したスローな生活を楽しむ持続可能型の「快楽」を大切にするべきだとして、西表島より石垣金星さんも御一緒に招いてその具体例を知ることができました(もはや沖縄は日本の最西端というよりも、アジアの中心として考えるべきだろう)。
 そうした見直されるベきスローな「快楽」がある一方、大型リゾート開発など破壊型の「快楽」もあり、現在多くの人はそちらに眼が奪われているという辻さんの指摘でしたが、こちらの破壊型の「快楽」を僕は、ルネ・ジラールに倣って「欲望」と呼びたいと思います。
 ジラールは、そのドストエフスキー論の中で欲望の三角形という、他者の欲望に喚起される形で、人々の欲望がつくられる様子(恋愛における嫉妬などがその典型)を指摘しました。
 僕の意見では、今日のキャピタリズムが人の欲望を喚起する様は、まさにこれだと思います。ただし、現在の消費社会の下でそうした三角形は重層化していますし、ジラールのように三角形の頂点にキリストを持ってくればいいと言うわけではないようです。
 本来の人間のからだが持っているはずの「快楽」(この用語はエピクロスを想起させます)と資本主義下で不純な媒介によって増殖される「欲望」。
 両者の区別があらゆるレベルで求められていると思います。
 そして、破壊型の「欲望」に対してはボイコットという対処の仕方があり得ます。





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最終更新日  2004年09月11日 00時14分46秒
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