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テーマ:戦争反対(1190)
カテゴリ:コラム
日本政府は米国に沖縄海兵隊削減案を提言しているようだが(10/7朝日新聞朝刊)、同時に米軍基地の普天間から辺野古沖への移転に関しては「変更がない」(10/2同)、という考えを示したという。
ここで、一般にはまだ馴染みがないが、米軍基地移転候補地とされる沖縄の辺野古では基地移転に反対する運動があり、現地の「オジィオバァたち」(9LOVEレポート↓より)がここ八年間にわたり、団結小屋をつくって座り込みをしていることを再度ご紹介しておきたい。 9LOVEレポート"辺野古に見える9" こうしたオジィオバァたちの声を無視し、最近の米軍ヘリ墜落事故をきっかけに、普天間は危険だから「緊急」に辺野古に基地を移さなければという間違った論理が横行し、日本政府は移転工事を急ぎはじめている。 一般的に言えば沖縄には残念ながら、現在でも土建業者を中心に米軍基地による経済効果を期待する勢力がいまだに強い。辺野古でも地元土建屋に有利なように基地建設計画が採択されたという。 しかし、強調しておきたいが、こうしたお金は一時的なものであり、依存体質を生んでしまうからかえって長期的な繁栄には逆効果なのだ。日本各地で行なわれた原発建設による地方の荒廃の事例を見てもそれは解るだろう(そうした時流に対抗して、ヤンバル農場代表で一坪反戦地主の会の上山和男さんによれば、現地で循環型社会を実現するツールである地域通貨発行も計画中だという)。 しかも、基地が建設されれば漁業場も含めて壊滅的に破壊される辺野古沖には、本来なら鳥獣保護法で守られるべきジュゴンという動物が棲んでいる。 ジュゴンはなかなか人前には姿を表さないが、海藻などを食べた跡があることから、その棲息は科学的に証明されているし、世界的にその生息地である珊瑚礁は注目されている。 本来ならこうした観光資源、自然資源を活かすことで持続可能な発展をモデルとして示すような観光都市づくりができるだろうし、同時に漁民もまた漁業を続けることができるだろうが、こうしたヴィジョンは土建業者を始め一時のお金目当ての人達にはなかなかわかってもらえないでいる(当然の話だが、辺野古沖に米軍基地ができれば魚も採れなくなる)。 最近では沖縄サミットが開かれた場所で国際珊瑚学会が開催され、世界の環境学者の約800人が辺野古沖基地移転反対の嘆願書に署名したというが、残念ながら、灯台下暗しで、地元の住人程、特に沖縄の都市生活者にはこうした掛け替えのない価値に気付いていないケースが依然見られる・・・。 米軍は普天間の住民を苦しめ、辺野古の自然を壊し、いったい誰から何を守ろうとしてるのだろうか? 実のところ、存在するのは軍隊の雇用問題だけなのだ。 私は数日前の日記に、「もしも憲法第9条が変えられてしまったら」沖縄は独立を考えるという議論が、沖縄内外であるということを紹介したが(*)、アジアのほぼ中心に位置し、17世紀に薩摩藩に侵略されるまでまで琉球王朝として栄えていた沖縄には、十分その資格がある。沖縄には独自の文化、独自の言語があるからである。 そして、日本が米軍に政治レベルで妥協して沖縄を見捨て(米軍基地の削減計画案は不十分だということを再度指摘しておきたい)、さらに沖縄が一時のお金を目当てに辺野古を見捨てるならば、今度は辺野古が沖縄からの「独立」を宣言する番かも知れない。 辺野古沖でのオジィオバァたちの非暴力による座り込み闘争は、今現在も続いている。 * 近々、沖縄独立運動を描いたアクション映画『独立少女紅蓮隊』の上映が、僕の友人が運営する那覇ミニシアター「シネマエクサ」で上映されることが決定しました(詳細決まり次第、また御報告させていただきます)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年10月08日 00時07分35秒
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