ようこの部屋

上司は、たまに早く出社したり、遅くまで残って仕事をすることもあるが、たいてい誰よりも遅く出社し、誰よりも早く退社する。もちろん家でもメールチェックしたり、いろいろ働いているのだろうが、部下たちはみんなで、上司はサボってるんだろう、とかうわさをする。誰も調べたことはないけどね。
今日はだんだん予算の仕事もうんざりしてきたし（ほかのみんなは終わっているのに、私の担当の部だけ、まだ終わらない。）、忙しいけど、同僚とくだらないおしゃべりをしたりする。ふと気づくと、隣の同僚が斜め前の同僚と面白いことを話してる。何々？と聞いたら、上司が今日は何時に退社するか、賭けをしているのだ。Ａさんは、今週は上司は暇だって言ってたから、きっと3時5分過ぎには帰ってしまうだろうと言っている。Ｂさんは、いや、15分だ、と言う。そこで、私が、いいえ3時半よ、といったので、じゃあ、なにかものを賭けよう、ということになり、みんな負けたら、勝った人に粉スープをひとつ上げる、ということになった。
Ａさんは、2時45分くらいから、そわそわしだした。3時5分前には、上司のところに、難しい質問をしに行った。難しくて、めんどくさいから、帰ってしまうだろう、という作戦。でもがっかりして帰ってきた。なんと、その件で電話をかけているそうだ。Ａさんは負け。3時20分になったら、Ｂさんが立ち上がった。上司の部屋に行って、何か話している。そうしたら、25分ころになって、二人が一緒に帰ってきた。上司は、なんだなんだ、みんな今日は俺に帰ってほしいのか、と言う。なんとＢさんは、上司に、賭けがあるから、今すぐ帰ってほしいと（半分冗談で）言ったらしい！私はそのときすでに、郵便局に行こうと思ってたので、コートを着て仕事をしていた。一応、自分が勝ったのを見届けてから、出かけようと思ったのだ。Ａさんは、ようこは上司が帰ったらすぐ自分も帰れるように、もう準備してるのよ、と冗談をいう。
こんなくだらないことをしていたのだが、上司は別に怒りもしなかった。
上司に対して、頭にくることも多いが、冗談は通じるので、うれしい。