|
カテゴリ:昔話
子どものころは本が大好きだった。本を読み出すと周りの音が聞こえなくなる。テーブルの下で本を読んでいたら、声をかけても答えないどこにもいないと大騒ぎになったことがあるらしい。 就学前は定期購読の「世界名作全集」の到着が楽しみだった。小中学校の時は、図書館の貸出カードに借りた本の名前が連なっていくのが好きだった。古い本の貸出カードの昭和の古い日付を見て借りた人を想像するのも好きだった。 国語の教科書も好きだった。新学期前に配られると、一日で読んでしまった。椎名誠じゃないけれど、まるで「活字中毒者恐怖の味噌蔵」だった。 小学校高学年の国語の教科書にあった「めもあある美術館」は今でもよく覚えている。読みながら、その町の古物商の店内の黴臭い匂いや、美術館の向こうに広がる夕焼けの風景がリアルに浮かんできたことは忘れない。 小学校の教師をしていた亡母の遺品を整理していたら、めもあある美術館が収められた教科書が出てきた。きっと有名な著者だろうと思ってみると、大井三重子という聞かない名だった。でも、ちょっとひっかかった。 それは、今は亡きミステリー作家、あの「猫は知っていた」の仁木悦子が童話作家としてのペンネームで書いていたものだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.12 08:22:21
コメント(0) | コメントを書く
[昔話] カテゴリの最新記事
|