「温泉めぐり」田山花袋著
「温泉めぐり」田山花袋著自然主義小説家の田山花袋の作品です。復刻版で情報は古いので、その時代を偲ぶ読み方が必要です。好悪がはっきりしていて、伊豆や箱根など開けている温泉地は評価が高い。また景色が良く、温泉の湯の量も豊富な所の評価もまずまず良い。景色悪く、料理も乏しく、人も垢抜けていないところは厳しいですね。本を読んでみると、箱根などは今も繁盛していますが、昔は田舎だったところも今は大変な賑わいになっているところもあり、なかなか面白い一冊です。子供の頃、お盆の時しか親は休めず、長い渋滞の末、たどりついた親の実家の下の温泉が私の思い出にいつも残っています。飯山町の先きにある野沢の温泉も頗る詩趣に富んでいる。渓流なども頗る美しい。千曲川が一ところ小ナイアガラを成して、そのため舟が上流下流通じて上下することが出来ないところがあるということである。