会津藩斗南へ
会津藩斗南へ~誇り高き魂の軌跡慶応4年9月23日。会津鶴ヶ城開城。そして過酷な物語はここから始まる。史実なのか物語なのか悩むこういう本は読み終わっても引きずるよね。会津人は今でも山口の人に冷たいという。お店でもタクシーでも「山口出身」というと目の前でドアをピシャン。だ。と著者の講演会で聞いたことがある。そのときは「大袈裟な」と笑い飛ばしてしまったけれど、笑えない想いをした人々は確かにいたのだ。多くの会津人が書き残した記録が「過酷」とひとことで終わらせてしまえないキビシイ現実を伝えていた。身分の上下に関わらずあの戦争を生き残った人々が一人残らずその胸に宿した感情を骨の髄まで刻み付けて生き抜いてきたのだ。なんとか再建を。と願う人々をあざ笑うかのような「廃藩置県」。その結果の斗南藩消滅。明治4年8月25日、容保候主従の別れの場面は鳥肌が立つほど泣きたくなりましたよ。でも会津の人たちはそこで終わらなかった。藩が無くなり誰の援助もなしに自分の力で立ち上がり、道を見つけて歩き出したのだ。成功しても驕らず会津を忘れず。人の底力の凄さは実は今人生最大の危機に直面している自分にはものすごく励まされるものがありますな。毎日楽しく生きている人も、どん底で苦しい人も、明日が見えない人も読んだ方が良いよ(そういえば桂小五郎、明治に色々活躍してたらしいね←初めて知った)巻末に「斗南藩庁の機構」「斗南藩職員録」「斗南の会津人」アリ。星亮一 三修社 ¥1800