海がきこえる 観た
氷室冴子の『なぎさボーイ』『多恵子ガール』を読んだのは、中学一年のとき。仲良しの幼なじみが「従姉妹のおねーさんに教えてもらって好きになった」といって貸してくれたのが最初だった。ウチは家に持ち込む本に関して母の検閲がたいへんに厳しかったので、私はこういったジャンルがあること自体を知らなくて、ライトノベルを読むのはこれが初めて。それまで『りぼん』とかのハッピーエンドの少女マンガばかりを好んで読んでたから主人公たちが「好き好き」言わないで、延々と恋と友情の狭間をはっきりしないまま過ごしていく、ある意味すっきりしないストーリー展開に、なんていうか、リアルな青春模様を感じて衝撃を受けたものです。以後、私の中学時代の読書生活を支えていくのは少女向けノベルになりました。藤本ひとみや久美沙織も読んだけど、やっぱり一番読んだのは氷室冴子だよなぁ~早くに亡くなられて残念なことです。『アグネス白書』『クララ白書』に『なんて素敵にジャパネスク』『ざ・ちぇんじ』…何作かは当時人気のアイドルで映画やドラマになって、面白いと思って見てたよなぁ。てなわけで、この映画も内容はだいたい知ってたんだけど、今回のテレビ放送で初めてちゃんと観ました。『海がきこえる』が発表された頃は、さすがに私もちょびっと大人になってたから、もう氷室作品は読まなくなってたしスタジオジブリ作品なんだけど、何となく作品のカラーが他の映画と違う感じがして、今までスルーしてたんだよな~これ、もっと早く観てればよかった!思ってたより見応えあって、胸きゅんでした。『海がきこえる』親の離婚で母親と一緒に東京から高知へ転校してきた里伽子。親への反発や東京人としてのプライド、鬱積した思いから学校に一切馴染もうとはせず、そのわりに端麗な容姿とミステリアスな雰囲気で男子からは人気があるため、周りから反感をかっていた。この物語は、そんな彼女に興味を持ち、ひょんなことから関わり合うようになった男の子拓の一人称で語られる。友だち関係、家族への気持ち、初めての恋愛感情に振り回される若者たちの姿を描いた、リアルな青春ストーリー。登場人物たちはみんな繊細で傷つきやすくて、ときどきはアツくて、いろんなことに不安や不満を抱えていても、それを表に出す方法が不器用で。狭い世界で傷ついたり傷つけたりと、必死でもがく高校生たちの純粋さが痛々しくてほろ苦い。今の若い人には古い感覚かもしれないけど私の年代ではちょうど、どストライク。みずみずしい氷室冴子の作品の世界観が、よーく滲み出ていて、自分の10代を思い出しました。面白かったらポチッとお願いします。 ★⌒(@^-゜@)v ♪↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓人気blogランキング【ブログの殿堂】JRANKブログランキング