サキ・コーポレーション秋山咲恵社長が何かの雑誌で推薦されていた本・・・
「愛するということ」(エーリッヒ・フロム著)
最後に読んだのは去年の年末。
ふと思い立って、先週くらいから、またパラパラと読んでいる。
一言、深い。
小手先のテクニックではなく、人間心理を理論で説いている本。
やたら難しい言葉が多いのだが、
・愛とは合一ではなく、結びつける力
二人が一人になり、しかも二人でありつづけるというパラドックス。
・母性愛が究極、明確であるが
愛とは自分の生命を与え、他人を豊かにし、それにより
自分の生命感を高めること
その為には「貯めこむ欲求」を克服し
性格が「生産的な」段階に達していなければならない
だそうだ。
・愛の要素は「配慮・責任・尊敬・知」で、
これを示している究極の例も、やはり母の愛。
愛するものへの生命と成長を積極的に気にかけること。
この配慮のないところに愛はない
母性ってすごくない!?
・愛と労働は分かちたがいもの。
人は何かの為に働いたらその何かを愛し、
また愛するもののために働くのである
なるほど。たしかに、私は仕事に愛を忘れない。
後輩君にも、しょっちゅう「その仕事に愛はある?」って問うし。
・そして、責任とは、相手の精神的な求めに応じること
これ難しい。自分の気持ちばっかりになりがち。
・尊敬とは、他人がその人らしく成長発展してゆくように気づかうこと。
・人を尊敬するには、その人のことを知らなければならない。
知るというのは難しい。
どうも私自身を知れてない、ということらしい・・・。
ほんの10数ページめくっただけで、
やっぱりこのフロムは天才だなと思う。
ホント難しい本だが。
前回この本を読んだときは、生活も精神状態も最悪のときだった。
そのときに比べると、今、数段理解できるようになった。
とくに、フロムのいう「生産的」な精神状態について。
思うに、人間には、
・枯渇している状態の人間
・満ち足りている状態の人間
・そうでないふつーの状態
があるのではないかと思い、一番難しいタイプというか、哀しいのは
枯渇状態も、満ち足りている状態も 両方しらない人間、経験したことない人間。
会社でも後輩世代を見ていて、ふと感じることがある。
愛とか、人との関わり、を自覚というか、本質的に知ろうとしたことのない人間、世代。
私は有難いことに、枯渇状態もどっぷりと味わったし
満ち足りている状態も、だいぶ近いというか
意識・イメージできるようになった。
ちょうどゆっくり瞬きをするように
瞼から嬉しい気持ちが音楽のように飛んでいく。
そして、おなかの中に大事なものを抱えている実感。
それが満ち足りている感であり、
相手に与えるものが蓄えられてきた感というか
生産的なエネルギーの実感、なのかも知れない。
やっぱり、女って30近くなると
そういう歳なのかも知れない。
歳とるって、悪くないね