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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
年末に本屋さんを探して買ったのは、新潮社の『考
える人』。河合隼雄さんの追悼号だった。 そこに寄稿されていた、詩人 佐野洋子さんの文章から。 いつか対談をしたことがある。 「私が何か云うと男の人がうしろにとびのく様に 感じる事がある」 と訴えた事があった。 「それは、佐野さんが本当の事を云うからです。 みんな本当の事は嫌いなのです。本当のことは 云ってはいけません」 訴えたのは、佐野洋子さん。 「本当のことは云ってはいけません」 とおっしゃったのは、河合さん。 わたしもよく「男の人をうしろに飛びのかせる」 ことがあるのだけど、 佐野さんの「本当の事」はそうとう純度が 高いだろうなあ。 (飛びのく勢いが違いそう) 以前、岡野玲子さんの『陰陽師』の漫画のなかでも、 晴明が 「何という姿だ 人を正気にさせてしまう あなたのような人は いてもらっては困るのですぞ」 と言われていた。 そうか。 本当の事は、みんな嫌いなんだね。 親切のつもりで、言っていたんだけど(笑)。 河合さんの言うことなら、きく。 もちろん、それは、わたしが、本当のことを探すのを あきらめたってことではない。 私が感じる「本当のこと」を、 佐野さんレベルの「本当のこと」まで純度を 高めていく作業は、続けていきたい。 それを、言うか言わないかは、 別の話。 言わなくても伝えることができるようになったら、 それは、もう、河合隼雄さんの領域。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 27, 2008 10:27:52 AM
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