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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
何十年かぶりに読んだバーネットの『秘密の花園』(福音館
書店)は、わたしにいろいろなことを教えてくれ、思い出さ せてくれた。 とりわけ、印象深かったのは、十二人の子だくさんで、子ど ものことならなんでもわかる、スーザン・ソワビーの存在だ。 ものは与えられたものの、愛情や適切なケアを受けずに 育った主人公メリーや、イギリスの大きなお屋敷でずっと 寝たきりで過ごすコリンが、秘密の花園をみつけ、その 自然と、友人とスーザンの思いやり、機転の効く対応によって みるみる元気になっていくさまは、本当に感動ものだ。 そんな話を読みながら、つくづく、子どもの時期には、 大人はそれ相応の対応をする必要があるのだな、それが とっても大切なことだな、と思った。 「子ども扱い」というと、なんだか、小バカにしたような 扱いをすることを言う時に使うけれど、子どもには、 その時期の子どもにたいする「扱い」をしたほうがいい。 ゆめゆめ、子どもを大人のミニチュア版にしては いけない。 花の種をふくらませるのも、太陽を輝かすのも、 坊やをふとらせるのも、みんな同じ、『いいもの』 なんですよ。 人間はけちな考えしかないもんだから、ちがう名で 呼ばれるのをいやがるけれど、その『大きくて、いいもの』 は気にやしない。 わたしたちが住んでいるような世界を何百万と作り続け なさる。 だから、その『大きくて、いいもの』を信じ続けなくちゃ いけませんよ これは、ラストにスーザンが子どもたちに「魔法を信じます か?」と聞かれて、答えたことばなのだけど、 この世界には、『大きくて、いいもの』があること、 この世界は喜びに満ち溢れていること。 大人は、それを、子どもたちにしっかりと 伝えなくちゃいけないんじゃないかな? と思った。 もちろん、大人になれば、そうではない事柄は いくらも出てくるし、 生きる技みたいなものも必要にはなるけれど、 それは、大人になるプロセスで学ぶことで、 いつでも戻れる場には、 いつも『大きくて、いいもの』があって、 「この世界は喜びに満ちているよね」 と確かめ合った時間があったと、 それが根っこにある子ども時代を 子どもたちには、過ごさせてやりたいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 30, 2008 10:12:00 PM
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