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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
敬愛する某先生が、
「杉山さん、良かれと思って間違ったことをするほうが、 確信犯で悪いことをするよりも罪が重いのよ」 と、ずばりとおっしゃった一言が、忘れられない。 「わたしは、良かれと思って」 「あなたのためを思って」 って言われたら、「それは違う」って言えなくなっちゃう ものね。 善意の押し売りのような子育て支援は、 しないように、気をつけたいものだ。 そうしないためには、いったい何が必要なのだろうね? 理念に基づいた冷徹な分析、論理。 それを土台に積み上げた、美しいかたち。 しなやかな、愛情に満ち溢れた・・・。 決してテクニックにおぼれない・・・ 今日は、育児雑誌ライターの先輩でもある牧田さんと 食事をした。 「育児雑誌の功罪ってあるじゃないですか。 あの時は、あれが最良だったと思うけれど、 しがないライターには、あれしかできなかったと思う けれど、今の子育ての現状の責任の一端はわたしにもあると、 わたしは思っています」 とわたしが告げると、だからわたしは、今、これを しているのよ、と牧田さんが言った。 苦い会話。 道具の使い方を覚えたら、そりゃ、使いたくなる。 「みてみて、わたし、上手に使えるようになったんだよ!!」 と、見せびらかしたくなる。 大人だって、子どもと同じだ。 無邪気。 善意。 そうね、あなたは楽しいのね。 ものをつくるって楽しいよね。 反響があるって楽しいよね。 プロとアマの線引きがなくなって、誰でも発信者に なれるようになった。 誰でもいっぱしの評論家になれるようになった。 「子育て支援」など赤子の手をひねるようなものだと、 これまでのパターンに乗せて、新規事業を立ち上げる 人も現れた。 子育て支援のことなどとんと興味もなければ、 やりたくもないのに、仕事だからしょうがなく、計画を つくらなければならない立場の人も現れた。 わたしたちは当事者なんですよ、 わたしたちは問題意識は持っています。 目の前の親子を今すぐ助けたいんです。 だから、理念だとか、原理原則だとか、 そんな難しいことは、あとで考えればいいじゃ ないですか。 って、ノリは軽い。 ああ、でも。 無邪気に始めてしまった、その先に何がある? そこまでの「責任」を、あなたは負う覚悟で、 その道具を使っているのか? わたしの声は、小さく、かぼそい。 「本当のことは言ってはいけない」と、河合隼雄さんの声。 「スルーのわざ」だな、これから獲得しなければならない のは。 と、とりあえず、本質に近づけていこう、根源を探ろう。 わたしには、それしかできないワ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 4, 2008 05:06:09 PM
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