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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
昨年実施した、子育て支援NPOと行政の協働に関する
調査の概要版を作成するべく、お休みというのに出勤している。 本体の調査報告書をまとめるときはじっくり読まずに、 ガーッとまとめていたので、気がつかなかったのだが、 行政担当者で「協働が必要だし、これからも進めていきたい」 と考えているところが、324団体中、211団体も あったのだよね。 ちなみに、アンケートを送付したのは813団体で戻ってきた のは、324団体。 子育て支援NPOについては、366団体に送付したものの 戻ってきたのは33件。これではあまりに少ないというので 急きょ、とうきょう子育てねっとのサイトでネットアンケー トを実施したのでした。 そんなわけで、NPO側には、アンケートに答える余力も 残されていないのか、それとも答える気がないのか、ちょ っとよくわからず、データとしての信ぴょう性もやや落ちる わけですが、 自治体については、それなりの回収率で、ほんとよかった。 で、協働を進めたい理由を自由回答でいただいているのだ けど、その理由が、 「やだ、わたしの講演、聴いたの??」 (なわけないのだけど)というぐらい、協働を大変よく 理解されている回答が寄せられたのだ。 当事者主体によるエンパワメント とか、 協働によりお互いの強みが発揮できる とか、 行政よりきめ細かいサービスができる とか、 協働の推進は、市民力の向上につながるから とか、 協働なくして子育ての分野の充実は望めないとか。 書いているだけでうれしくなってしまう。 なんだ、わたしがわざわざ言わなくたって、みんな わかってるじゃーん・・・という気分だ。 一方で、NPO側の協働のがっかり度も実は高い。 言っても無駄とか、もういやになりましたとか、 子育て支援の中間支援には、行政へのNPOと 協働の理解を進めてほしいとか。 こんなに意欲的な行政マンがいるのに、どうして? なんせ60団体しか回答が戻ってこなかったので、 一般論では全然言えないのだけど、その人たちの地域の 行政がたまたま理解のないところだったのだろうか。 協働を理解している行政の地域格差が広がっているの だろうか。 ま、「言うは易し」というので、理想を書くことは いくらでもできるので、そんなふうに思っている的な 模範解答を書いてきたのかという見方もできるわけだが、 評価に関わるような調査でもないので、 別にそこまでする必要もないだろうし、 理想の協働を進めていきたいという気持は、 確かにあるのだろうな・・・ と、わたしは善意にとらえたりしている。 * * * NPOの人がよく言う、 「行政職員はお給料もらってやっているのに、わたしたちは ボランティア。それっておかしい・・・」 という気持ちはわかるけれど、 一部の本当にきちんと仕事をする行政職員は、 NPOの人と同様に、「自分がお金をもらっていて、NPOの 人と同じような仕事しかできないのでは、おかしい」と自覚し ている。 だから、公務員として、何ができるかを真剣に考えようと している。 NPOを育てる方法を考えたり、 ネットワークづくりをうまく進められないか、 いろんな団体に足を運んだり、 NPOに仕事が回る方法を模索したり。 それが、給料をもらって働く自分たちのプロの仕事だと 自覚し始めている。 決して、NPOの足をひっぱったり、無理な要求を突きつけて できないと返事すれば、「やっぱりNPOはダメだ」とつぶし にかかったり・・・みたいな、利権争いのようなことはしない。 自治体職員さん向けの研修で講師をさせてもらって、 そんなふうに感じることが増えてきた。 特に地方。 待機児ゼロ作戦とは無縁の地域。 国もあてにできないという危機感もあって、 自分たちの知恵と資源でなんとかしていこうと 感じているのだろうと思う。 それにしても、なんだかんだと言いながら、 少しずつだけど、変化してきているのだな・・・と 実感する。 協働とか、NPOとか、もはや珍しいものではなく、 当たり前のものになって、じわじわっとみんなのなかに 浸透し始めているのだと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 6, 2008 06:16:13 PM
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