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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
4つ葉のタウンミーティングの細かな打ち合わせは、
シンポジウムの内容については、山田麗子さん、 今井さんと詰めている。 今回のタウンミーティングには、保育所など事業主の 方や保育士さん、企業の方など、いわゆる「玄人さん」 にも来ていただきたくて、どういうタイトルにすると 「ビビッ」と来てもらえるかなど、いろいろと伺う。 「遊育」という幼稚園、保育園の園長先生たちが定期 購読している雑誌の副編集長でもある山田さんの事情通 ぶりは、本当にすごくて、認定こども園の動きから、 保育所保育指針、幼稚園教育指導要領、各政党の動きまで 知らない事はないみたいな状況だ。 保育団体にお勤めの今井さんと山田さんの話には、 みんな「はー。興味深い」という感想しかでない ぐらいの勢いだ。 当日は、もうちょっと翻訳して、わかりやすくしてね で、事務局スタッフは、公式サイトを作ってくれて いるメンバーがそのままスライドしてくれて、本当 に頼もしい。 何よりうれしいのは、例えば、わたしが「保育でいき たい」と言ったとき、「はい。わかりました」で 「言うとおりにします!」ではなく、それぞれに、 「自分にとって保育とは?」とか、 「どんなふうにするといいんだろう?」とか、 ちゃんと「わがこと」に置きかえて、考えてくれて いることだ。 その手ごたえは、ただ座って打ち合わせしているだ けで、びんびんに伝わってくる。 言われたことしかできない人と 仕事してもつまんないもんね。 わたしの顔色をうかがいながら言うことを 変える人も、実は苦手で、 「どう思う?」とわたしはとってもよく聞くのだけど、 「わたしはこう思う」と、一生懸命考えて、一生懸命 言葉にしようとしてくれる人じゃないとダメなのだ。 そうやって、キャッチボールをしていくうちに どんどんと良いものになっていく。 そのプロセスこそ、大切にしていきたいと思う。 ところで、今日は、かねてから行きたかった「東山魁夷展」 に行ってきた。 平日だというのに、かなりの人手。 GWは、さぞすごいことになっていたのであろう・・・ とにかく知っている絵の前に立つと、「ああ」と 思えてそれだけで、しびれてしまう感じなのだけど、 「みんな好きなんだなー」 と大勢の人を見ながら思って、 「日本人の心の原風景って、実はこういうことなんじゃ ないのかな?」と、絵と、絵をじーっと静かに見入って いる人たちを見ながら思った。 この感じは、西洋美術(特に印象派以前の宗教画展など) の絵画展の雰囲気とは、全然違うものだ。 「白馬の森」という絵の前に来た時、 この絵はかなり有名で、東山魁夷と言えば白い馬という ブルーがかった森のなかに、白い馬が忽然と現れる絵 なのだけど、見た時、これまで見た絵ともまったく違う 感覚に襲われ、白い馬がまさしく淡い光を放って 輝いて立っていた。 わたしははびっくりして、 「このままでは泣いてしまう!」 と思って、次の絵に行こうとしたら、そこにも 今度は若葉の森の中に白い馬がいて、 周囲を何作もの白い馬に囲まれた時、 なんだか、なんというか、 いてもたってもいられない気持ちになった。 東山さんは、この一連の白馬について次のように 書いておられる。 白馬は、明らかに点景ではなく、主題である。 そこには、やはり必然的な動機が内在していると、 思わないではいられない。 それは、心の祈りを現している。描くこと自体が 祈りであると考えている私であるが、そこに白馬を 点じた動機は、切実なものがあってのことである。 そして、ここから先の解釈は「見る人の心に まかせたほうがよいと思う」と結んでいる。 ちょうど、唐招提寺の障壁画に着手するのと 同時期に現れた白い馬。 「こうしてはいられない・・」 と、直観的に思って、 「わかったよ、やらなきゃいけないことをやるよ」 と、ごきげんさんで湖畔で草をはむ白馬と 約束した。 (というか、約束させられた) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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