|
カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
杉山です。
『格差世襲』という大きな見出しのついた雑誌を、しょうが なく買ったのだけど、売店のおばちゃんにまで、 「いやな題ねー。こういうふうに言うから、そうなっちゃう ところあるものねー」 なんて言われて、 「おばちゃんのほうがぜんぜんまともだ!」 と思った。 メディアで最近言われている「アラフォー」って他人事だと 思って「ふーん」って感じで流していたのだけど、 どうやら、わたしたち世代のことを言うらしいと今日のテレビ で知って、ちょっとげんなりした。 (新人類? ハナコ族? 負け犬? もういいよ) そんなことより。 昨日、今度行う多摩地域の子育て支援に関するフォーラムの 初めての実行委員会で、多摩地域の子育て支援NPOのリーダー さんたちのお話を聴いて、 「やっぱ、現場はすごいな。迫力が違うな」と 思った。 それにもまして、リーダーさんたちと話をしていて、 心の深いところで、 「ああ、かなわないな」と思うのは、 彼女たちの、とてつもないやさしさだ。 困っている人がいると、胸を痛め、放っておけない。 なんとかしたいと、動かずにはいられない。 (この前なんて、マツダ、サコの両名に、 「放っておけないでしょ。そこがテキの思う壺よ。 あなたたちが動くのを、待ってるのよ。気をつけな」 なーんて、訳知り顔で言っちゃった) それでも。 明日の日本を支えるのは、間違いなく、 「世襲格差」だ、どうだこうだ、と論じる人ではなく、 こころねのやさしい、差し伸べる手を持っている、彼女たち に違いないと、わたしは思う。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 今、河合隼雄さんの『こどもはおもしろい』(講談社文庫)を 読んでいるのだけど、 それは、学校現場でおもしろい授業をされている先生を 河合さんがみつけだして、対談している本なのだけど、 「え、こんな授業、今もあるの?」 というぐらい、素朴で、楽しそうで、 「そうそう。こういう先生、昔いたよね」 という感じで読み進めることができた。 本が最初に刊行されたのは、1995年。 13年前。 2002年、教育改革。 土曜日が休みになり、「ゆとり教育」が導入された。 「ゆとり教育」を推し進めたひとりに、河合さんが いらっしゃったのではなかったか?と、わたしは勝手に 推測している。 「ゆとり教育」の理念はちっともおかしくなかったし、 「生きる力」を育てるという文部科学省の思いは、 間違っていなかったと思う。 なんだけど。。。。 うううーん・・・。 今、一番困っているのは、教育現場なんじゃないかなあ。 なんてことを、本を読みながら思った。 それにしても。 河合さんがえらいなあと思うのは、そうした、現場のすぐれた 教師をみつけだして、引っ張り出して、話を聴こうとする姿勢だ。 河合さんが聴くから、教師の試みの意味がはっきりし、きらりと 光る。 河合さんが「先生」になって授業をやるんじゃない。 実力のある、著名な人が母校に行って授業をする、「ようこそ先輩」 スタイルも悪くはないけれど、 でも、日本の学校の現場には、すぐれた先生が、実はたくさんお られたはずだよなあ・・・と、改めて思い出した。 そういうの、ちゃんと認めてあげられているんだろうか。 河合さんみたいに、ほめる人、いるんだろうか。 今の学校って、どうなってるんだろうなーと、 気になった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 30, 2008 03:39:23 PM
コメント(0) | コメントを書く
[杉山千佳(子育て環境研究所)] カテゴリの最新記事
|
|