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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
杉山です。
12月に発行予定の本の仕上げに入っていて、いろいろと 考えることの多い日々です。 わたしは大学時代日本史を専攻していたこともあり、 歴史好きです。 つまり、前はこうだったけど、こういうことやああいう ことがあって、今はこうなったんだよ・・・という ストーリーというか、お話というか、流れを知るのが 大好きなんですな。 だから、子育て支援も、前はなかったのよー。 児童福祉は保育に欠ける子どもだけ対象だったのよー、 それが、今はこうなったのよーみたいなことを 若いお母さんたちにも話したくなる。 気になるのは、そういう話が若いお母さんは知りたいかどうか? なんだよね。 そんな昔のこと、知らなくても、今さえ知ってれば、いいのよ、 わたし、忙しいんだから・・・・ って感じなんだろうか? で、結局、私はどうしたらいいの? 結論だけ先に言って頂戴、アドバイザーの言うとおりに しますんで・・・・ とか? 他人のことなので、本人がそれでいいのなら、 別にそれでもいいのだけど。 どうして「今」の説明をするために「過去のいきさつ」を話すか というと、流れで知ることによって、「じゃあ未来はどうしよ うか」について、イメージしやすいと思うからだ。 ちゃんと、アタマを使えばの話だけど。 例えば、わたしが息子を保育園に預けていた時代、今から 15年ぐらい前は、認可保育園が民営化されるなんて、想像も つかなかった。 この業界で仕事をする専門家のハシクレとして、 民営化されるとどうなる? ということについて、危機感を抱いて議論した時期があって、 (そのころには、うちの息子は小学生になっていた) あれよあれよと、今、あちこちで民営化が進んでいる。 で、美香子さんたち親は、民営化の対応まで「親の役割」の ひとつとして担うことになっている。 このことひとつとっても「大変だなー」と、親として思う。 だって、昔の親はそんな心配しなくてよかったのだもの。 つまり、何が言いたいかというと、「親の苦労」「親の役割」 の内容が変化してきている感じがする、ということだ。 ちょっと前までは、ミクロの個人レベルのことだけ一生懸命 やっていれば、子育てはなんとかできた。 でも、たぶん、これからはそうも言っていられなくなるのでは ないかと、思う。 マクロが、(具体的に言っちゃえば、国や世界が、) わたしたちにものすごく近づいてきているのだ、と 思う。 あまりに変わらないものだから、わたしたちは「変えたい」 と、思った。 だいぶ変わった。 大きなところでも、小さなところでも。 でも、「変わる」って、大変なことだと思う。 「関係ない」 なんて、のんきなこと言ってられない。 子どもを安心して産みたいと思っているのに、産婦人科が 足りないなんて。 働き続けたいと思っているのに、保育園に空きがないなんて。 ようやく入れた保育園なのに、来年4月から民営化で、 慣れ親しんだ職員さんが総入れ替えになるって、急に お知らせがくるなんて。 「この食べ物、大丈夫か?」 と、びくびくしながら料理を出さなくちゃいけなくなった ことも含め、 暮らしのセーフティネットがほころび始めている のを、感じる。 ううーん。 不安をあおっても仕方がないし。 じゃあ、「昔はよかった」か?と言われると、たぶん、そうでも ないし。 懐古主義はごめんだ。 知らなかっただけだろうし。 で、どうしたらいいのか? ってことを、みんなと話がしたいんだろうな、わたしは。 そして、希望を見出したいんだと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 4, 2008 09:17:55 AM
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