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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
杉山です。
小中学校の児童生徒対象の体力調査の結果が出た というニュースを聞きながら、調査をされた方には 申し訳ないけれど、 「都道府県別に平均値を比べることに何か意味が あるんだろうか?」 と、思ってしまった。 だって、目的はひとりひとりの子どもの基礎体力を 伸ばすことで、全体の平均を出すことでも、比較する ことでもない。 知事さんや教育委員会が自分たちの仕事を見直す ためにはいいのかもしれないけれど、そこにだけ 注目してしまうと、大事なことを忘れてしまう気が する。 平均値を見せられると、自分と平均値を比べて 「この程度でいっかー」 なんて、適当にしちゃうこともある。 「あたしはここまでなのよー。みんなもそうだよねー」 とか言って、「なかま」意識で周囲の人の足を 引っ張ることも、やろうと思えば、できる。 そんな「なかま」に未来はない。 ひとりひとり。みんな違う。 みんなの興味や関心や、伸びたい気持ちを尊重しながら、 気持ちよくいる。 それが理想のコミュニティなんだと思う。 ・・・・・・・・・・・・・ このところ、仏教の本ばかり読んでいて、 「なんでかなあ?」と思っていたら、河合隼雄さんが ぴったりのことを言ってくれていた。 (仏教は)もう絶対的な女性原理優位。ところがその 女性原理優位の場合は、いわゆる自然調和のようなかたち を取るんだけど、仏教の場合はすごく知的に洗練されてくる。 そうでしょう。たくさん言葉も持っている、お経も持っ ている、それから哲学も持っています。 そういう意味では男性原理が入っているわけで仏教は 面白いんじゃないですか。 (河合隼雄・中沢新一『仏教が好き!』朝日文庫より) そうなの、そうなの。 慈悲の心と智慧なのよ。 智慧の奥深さ(難解さ)が 理屈っぽいわたしには、たまんないのよ。 って感じなのですが、 河合さんいわく、日本は圧倒的に女性原理の社会なんだけど、 女を考慮の外に置いたり、地位を低くして、男どもが威張って いる、 それはどういうことかというと、中沢さんが 具体的な母性を否定して、母性の先にある母性というのか、 かたちを持たない母性と言いますか、女性性と言いますか、 それに到達しようとする志向があって・・・ それを仏教は権威独占に結びつけないでやろうとしている。 21世紀のグロバーリズムの拡大や増殖原理に対して 仏教による解決策があるのではないか というようなことを、2003年にすでに看破している。 で、河合さんの興味は、「個人主義を仏教のなかに どう位置づけるか」。 母性原理というのは、僕はとっても面白いと思うし、 大事でしょう。だからそれを持ちながらなおかつ 個人であり得るというのはどうなっていくか。 これは言いかえると、個人主義と仏教の折合いを つけるということにもなりますが。 うーむ・・・なるほどぉ。 と唸ってテレビをつけたら、NHKハイビジョンで 五木寛之さんが21世紀仏教の旅と題して、世界各地を 歩いてらしゃいました。 ブータンの小さな子どもを連れた、ごくごく普通の 母親が 「欲望には際限がありません。 そんなことを考えるよりも、今、家族と過ごせる 幸せを感じていたい」 というようなことを、さらーりと語っているのを 見て、仏教って・・・すごいかもと、 ますますもって思った次第。 いま、わたしのようなオンナが仏教を学ぶ意味、 みたいなものが、なんだかあるように感じるこの頃です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 22, 2009 12:45:45 PM
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