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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
杉山です。
松田さんが紹介してくださっているので・・・ 4年前に出しました『子育て支援でシャカイが変わる』 デス。 こちらのほうが、気持ちお安く、1680円。 4年たって、新刊の『はじめよう!子育て支援・次世代 育成支援』の赤い帯には 「子育て支援で社会を変えよう!」と入れました。 ううう。4年の変化は。そういうこった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ で、今日のお題は「メディアミックス」の可能性。 子育て支援の活動をしている人なら、よく知っている、 WAMこと福祉医療機構の助成金を 受けて、 民教協が子育ての番組を作りました。 昨年は「ネグレクト」という内容で、愛知県で実際に 起きた幼児虐待事件のその後をドキュメントしたもの ですが、今年の内容は、がらりとかわり、「地域で子育て」 を、自然体の映像で紹介したものです。 長野県善光寺の門前の商店街の一角で喫茶店兼地元情報誌 編集事務所を営みながら暮らすたまちゃんは、あえてシン グルマザーという選択をして2歳の福太郎を育てています。 6歳年下の同居人のあやちゃんは、独身女性だけど 危なっかしいたまちゃんの子育てを、「見てられず」 子育て支援中。 (この、店兼事務所兼住居ももともとはあやちゃんの 住まいだったところに、たまちゃんがころがりこんで、 そのまま妊娠→出産→育児に突入した) 福太郎のお父さん、ケンイチは近所に住むのだが、 いまだ家族を養うだけの甲斐性も自信もなく、 たまに福太郎の子守りをしている状況。 門前町は少子化の影響で子どもがおらず、そんな町で 福太郎は希望であり、まちの人たちのアイドルです。 とはいえ、 「なんでたまちゃんとケンイチは結婚しないのだ?」 「ケンイチ、もっとしっかりして!」 「たまちゃんも、もうちょっと母親らしく・・・」 等々、地元の人たちのもっていた価値観とはおよそ かけはなれた子育てに戸惑いもたくさん。 でも、福ちゃんはかわいいし、元気にすくすく育って ほしい。 そんな願いがひしひしと伝わってきます。 この番組を見たとき、信州大卒、劇団女優で、 クリエーターで理屈っぽくて、危なっかしい 38歳のたまちゃんは、 世田谷あたりの母&いまどきの若い女性の共感を 呼びそうな気がしました。 「父親になる自信がない」とテレビに向かって ひょうひょうと語るケンイチ(整体師の資格は取った らしい)も、 いまどきの若い男性たちの、なかなか言えない声を 代弁していると思います。 家族と地域の人たちの価値観のずれのなかで、 絆の核になっている福太郎。 この子がかわいい。 (徹底して「開いて子育てしよう」と決めている、 たまちゃんの戦略勝ちなんだけどね) 子どもってスゲー!! この番組は、実はすでに放映を終えていて、 1月4日の午前4時50分という誰も起きていない 時間帯に福太郎は全国テレビデビューを果たしてしまって いたんでした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 先日、この事業の評価会議が行われ、参加したわけ なんだけど、内容はおいておいて、いろいろなこと を感じました。 ひとつが、メディアミックスの可能性です。 福太郎とその家族と地域という素材があって、 それをテレビ番組として取り上げようという動きが 始まる。 番組も地元信越放送が何度も足を運び、たまちゃんたち との信頼関係も築き、丁寧に取り上げた良質のものに なっているわけだけど、それだけに終わらない。 ホームページによる内容の紹介、 放映前のイベント、 チラシはあやちゃん作になる「福太郎新聞」。 イベントは、善光寺の集会室をお借りしており、 「南無阿弥陀仏」と書かれた仏壇(?)を背に、 登場人物や制作者のシンポジウムや、 落合恵子さんの講演会が行われたみたいで、 これもすごいなーと、感心。 ちなみに、番組のナレーションは、現在子育て中の 渡辺満理奈さん。 プロのテレビ局信越放送、 テレビ朝日、 渡辺満理奈、 落合恵子、 善光寺、 といった、いわゆるみんなが知ってる「ブランド」が 出てきても、 福太郎もたまちゃんも、あやちゃんもケンイチも 区長さんも近所のおばちゃんも、ちっとも負けてない。 テレビにおもねりもしないし、 「撮りたければどうぞー」 「えーチラシ作らせてくれるんですかー。 わー助かりますー」 って感じだったんだろうな。 しかも、「地域の寺」が善光寺さんなわけで、 そこで開催する意味も、目的も十分あったわけです。 ちぐはぐ感が全然なく、統一されている。 素材がいいのはもちろんとして、あえて「オレの仕事」 を主張しない、ほんもののプロの技を披露してくれ、 地元を大事に仕事をしている、信越放送のスタッフが すごいと思う。 というわけで、一番いいのは番組を見ていただくこと ですが、それは再放送があったらお知らせするとして、 テレビやイベントやサイトやプロの表現者や善光寺は、 こーゆーふうに使うのねー ということが、ほんのちょっと垣間見えるサイトは こちら。 http://www.minkyo.or.jp/fukutaro/ 善光寺でのイベントの様子は、こちら。 http://www.minkyo.or.jp/fukutaro/2008/10/post_4.html あやちゃんが作った、番組チラシ「福太郎新聞」が わたしのお気に入りです。 わたし、こーゆーのが好きなんだと、 思いました。 WAMの助成金が十二分に生きた気がするし。 みんながみんなの役割を果たしてるってのが、 よくわかる。 いい仕事。 でも、それはだれか一人のリーダーの指導のもとで みんなが言うとおりに動いたらそうなったわけじゃ なくて、みんなが有機的に「自分の仕事をちゃんと やろう」と思ったことで、奇跡的に完成したもの なのかもしれない。 こんなふうに、 小さなところで経験しておくと、 大きなところでもやることができる。 小さなところでできない人が、 大きなところでできるわけが、ない。 まずは小さなところから、 繰り返し、繰り返し、力をつけていきたいな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 31, 2009 11:47:04 AM
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