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April 15, 2009
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杉山です。

今回紹介するのは、

『市民の日本語ーNPOの可能性とコミュニケーション』
 加藤哲夫著 ひつじ市民新書



書評2.jpg


加藤さんはNPO業界ではとっても有名な方で、
せんだい・みやぎNPOセンターの創設者でもあり、
今も代表理事をされてます。

実は、必要があってせんだい・みやぎNPOセンターの
10年の記録誌を手に入れるタイミングで、この本も
入手したのですが(前回の書評に紹介した『社会を
つくる自由』をブログで紹介していたのも加藤さん)、

本だけでなく、そうした彼の来し方のようなものを
合わせて読むことで、伝えたいことが立体的に見え
てくるなあという気がしています。

わたしは加藤さんにお目にかかったことはないので
すが、「この人、本当にあたたかい人なんだなー」と、
ひつじ市民新書(カワイイ)のブルーの本を読みな
がら、その体温が伝わってくる気がします。

でもね、何度も言うけど、そこだけにひかれて
「ワタシを癒してくださぁい」
「仲良しだよね、わたしたちって」
と期待しちゃうと「ちゃらい」になっちゃうので(笑)、
深いところまでちゃんと見ないと・・・と、思います。

きょうびの若者の、思いついたら即行動! 
「世の中を変えるために、がんばってマス」
と目を引くことやって、メディアに
やたら売り込んで出て、自分にうっとり~
みたいな、かるーいノリもなく。

おじさまの筋金入りの「市民活動」を思い知り、
ことばの向こうのたくさんの経験と苦労と哀しみと
それを乗り越えようとする精神の強さを知り、
信用するのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

本書は主に著者が行ってきたワークショップから
さまざまなものが見えてきた、それを少し距離を
おいて、客観的に見ながら説明していくという
ものです。

『社会をつくる自由』の著者、竹井さんが言うように、
日本の多くの人たちは、お上至上主義で、公共に
対して文句は言っても責任を持つという発想はなく、
仲良しが好きで、同調圧力なんて思いもつかず、
ただ情緒的に「コミュニティはいいもんだ」と、
決めてかかるわけですが、

それを承知で、「じゃあどうしたら、その志向を
変えることができるの?」
という、もっともな疑問に対して、具体的解決策と
して、ワークショップを提示しているように
わたしは思います。

システムの言葉と生活の言葉は違ってくる。
(それは、この業界でちょっとでもものを考え
 ことばにする努力をしたことのある人ならだれもが
 痛感していること)


どっちがいいとか悪いとかの問題ではない。
そこのずれをどう補って、おとしどころを見出すか、だ。


だって、議論のための議論をやって、無駄に時間を
費やしているいるわけではなく、みんなで納得して
決めて、動くために今、話し合いしているわけだから。

情報共有には技術が必要である。
1)なんのための作業をやっているか、はっきりさせる
2)参加者の声を、皆の眼に見える形に記録する
3)時間を平等にする
4)他人の発言をよく聞く
5)ファシリテーターを置く


ってな、今日から使える手法もちりばめられていて、
楽しいです。

ただ、メモにして模造紙に貼り付ける・・・
というプロセスで、すでにことばが変質しているのを
感じるんだよなあ。

で、わたしの感想になってしまいますが、
ワークショップのよさは、もちろん、優秀なファシリ
テーターがいれば、すばらしい、全員が納得するような
「合意形成」に基づく結論を出せるとは思いますが、

それよりは、参加のプロセスのほうが重要かと。
今までなかなか自分の意見を聞いてもらえなかった
いろいろな人たちが、

「自分の意見」を言う!
自分で考える!


っていうことをすると、
みんなに聞いてもらえるってのは、なんて
心地いい経験なんだろうと気付く(意見表明権)。

で、自分がこんなに心地いいんだったら、
人の意見にも耳を傾け、自分以外の人たちも
また、「心地よさ」を感じてほしい!
ってことになり、

「他人の意見」を聞く!

となるのだと思います。

みんなでそういう場をつくれると、
自分たちでなんとかしなければ・・・という
意思が生まれ、責任が生まれ、他人事にしない
ようになり・・・

動き始めるのでしょう。


だから、ワークショップのためのワークショップ
は、わたしは苦手で。
ここでワークすることで、動いている、考えている
語っている、その動きが会議室を飛び出して、
まさに現場で展開できちゃうような、そんな
話し合いができるのが、一番なんだろうなあ
などと、夢想してしまうのです。

・・・・・・・・・・・・

最後に、いいなーと思った箇所を2点あげて、
終わりにします。


・ネイティブアメリカンの方から直接教わった
 議論の方法で、「トーキングスティック」という
 のがある。
 「魔法の杖」を握ったものの話をみんなは
 聞かなければならないという約束なのですが、

 いわゆる欧米的な相手を負かしてやる的な
 ディベートとは違って、

 「場の神様」「場の精神(スピリット・オブ・
 プレイス)」に向かって話すわけです。
 「神のいる場に向かって真実を話すんだ」という
 精神のありようなわけです。
 (いいねー、この感じ。大好き)


・セルフエスティームについて
セルフエスティームとは「自分自身の価値を認め、
自分が好きであり、自分を大切にできる」という
日本語になりにくい言葉なんですけども、私たちの
社会はこれをむちゃくちゃに壊しているんじゃないか
と思うんです。

特に近代教育の「正解は外側にある」という枠組みが
これを壊しているんじゃないかと思うんです。

(中略)

ほめられもせず、けなされもしないのに、あるいは
誉められようが、けなされようが、自分が自分である
ことを肯定できる状態があり得る、ということを
土台におかなくてはいけないと私は感じているわけ
なんです。



たぶんね、「ほめる」という行為では、セルフエス
ティーム、自尊感情はそんなに育たない・・・と
わたしも思います。

そんなことよりも、
あなたがここにいていいんだよ
ということを、空気で伝える、場をつくる
(たとえ二人であっても、たとえ家族であっても、
 それは場となる)
ってことを、

当たり前のように、自然にできれば、外からの評価
なんか気にしなくても、ひとりでちゃあんと、自分を
よりどころに生きていけるのだと思います。







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Last updated  April 15, 2009 10:40:47 AM
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