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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
杉山です。
昨日は久々の少子化対策特別部会でした。 前回が2月下旬だったので、3か月ぶりぐらいですね。 で、議題は、この間の動きの報告と、今後の議事の 進め方について・・・でした。 この間の動きが、・・・もう、すごいです~。 みなさん、働いてますね~!!と、感心いや、感動 しました。 どんなことが起きていたかをざっと見ると、 1)平成21年度予算が通った。 2)平成21年度補正予算の審議中 ← 衆議院は可決して おり、参議院で審議中 3)「機能面に着目した保育所の環境・空間に係る研究事業」 の報告書がまとまった 4)「家庭的保育」のあり方に関する検討会の報告書が まとまった 5)認定子ども園制度の在り方に関する検討会の報告書が まとまった 6)幼児教育無償化についての議論が進行中で、その 中間報告がまとまった 「布石打ちまくり~~」 これまで、どっちかというと、理念重視だったり、計画づくり だったり、具体的なところにまでなかなかおりてこれないもど かしさを感じていたので、「家庭的保育」にこれでようやっと 予算がつきやすくなる!とか、「保育の最低基準」のエビデンス がようやく立証されたとか、うれしくてなりません。 いくつかポイントをあげておきますと、 2)補正予算案 安心こども基金拡充分 1432億円を使って、保育サービス の充実を目指します。保育ママも広がるといいな。 また、1432億円で、「地域子育て支援を担うnpoなどの活動 の立ち上げ支援、育児不安を抱える家庭への支援スタッフの訪問、 放課後児童クラブと放課後子ども教室の連携を促進させる、 連携マネージャー(仮称)の配置、ファミサポの広域実施、病児 病後児預かり等の実施の促進などなど。 さらに、ひとり親家庭の支援の拡充、社会的養護の拡充、 特定不妊治療への支援などにも予算が充てられています。 これは、今年度分なので、早く可決されて、早く現場に おりていってほしい!と願わずにはいられません。 3)「機能面に着目した保育所の環境・空間に係る研究事業」 報告書は500ページにも及ぶ大作のようで、 昨日の報告では、建築家も含めた検討会により、 2歳未満の保育のために必要な部屋の面積は 4.11 平方メートル/人 2歳児以上の保育のために必要な部屋の面積は 2.43 平方メートル/人 と基準が示され、「これって、これまでの基準より高いじゃーん」 という、科学的根拠が示されたのでした。 その、分厚い報告書は、全社協のサイトからダウンロード できます。 http://www.shakyo.or.jp/research/09kinoukenkyu.html わたしは、関心を持つ、一人でも多くの人にこの報告書を 読んでいただいて、「保育の質」の議論の材料にしてほしい と思っています。 4)家庭的保育に関する報告書は、 こちらから、チェックできます。 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/03/s0331-7.html 保育士資格を持っていなくても、市町村長が行う研修を 修了し、市町村町が認める者であれば、家庭的保育を行う ことができます。 ああ、願わくばこれが、子育て支援の仕事のひとつに 成長していってくれたらなあーと。 5)認定子ども園制度の在り方について 行政部局の認識が、 「義務教育、児童健全育成、母子保健、障害児福祉、労働等 他の行政分野との連携などに留意する必要」とあり、 「認定こども園」というツールの可能性を感じました。 そういう意味で、文部科学省の担当の方が説明してくださった、 6)幼児教育の無償化の中間報告 は、かなり「面白い!」と思いました。 研究会には、岩渕先生や柏女先生も入ってらして、 戦略的(笑)だし、柏女先生がお入りになることで、 障がい児への配慮も押さえてあります。 対象は、幼稚園、認定こども園、認可保育所に在籍する 3~5歳児、となっており、保育所等については、 保育制度改革の議論の中で検討されることが適当と、 こちらに球を投げています。 おお、返球しなければ! これによって7900億円の財源が必要。 これは、具体的でわかりやすいです。 しかも、ターゲットを「すべての子ども」にしています。 児童手当で、お金をばらまくよりいい。 幼稚園に子どもを通わせる家庭のほうが比較的裕福と いう指摘も確かにあるのは承知だけど、「すべての」 というんだったら、こっちのほうが理にかなっている。 貧困対策は、貧困対策としてきちんとやるべき。 混同すると混乱するから、整理が必要。 保育所は「仕事と家庭の両立」を錦の御旗に掲げるけれど、 幼稚園に子どもを預けながら働いている母親も、多い でしょ。 せっかく生まれた認定こども園、増やそうよ。 別にわたし、厚生労働省の回しものじゃないし、 「児童の最善の利益」に資するのがどっちなのかで、 選びたいからー・・・と思ったので、 幼児教育の世界でも(3)でまとめられたみたいな エビデンスをつくるような研究はまとめられているの ですか?と、質問しました。 幼稚園だろうが、保育所だろうが、親も子も、 「いいところ」ならどっちでもいいわけで、 学識のみなさんには、研究者らしいところで、本来の 「仕事」で競い合っていただき、子どもの環境をよく するために力を尽くしていただきたいし、 現場の幼稚園、保育所のみなさんも、その研究成果を 生かし、シェアして、お互いを高め合っていただきたい、 と切に願う次第。 で、少子化対策特別部会のこれまでの議論を 確認したいなら、 http://www.mhlw.go.jp/shingi/hosho.html#shoushika まで。 ちなみに、新型インフルエンザの最新情報は http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 20, 2009 09:36:48 AM
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