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May 20, 2009
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杉山です。

一日遅れですが、書評です。

このところ、信頼に足る言葉をわたしに提供してくれ
る人の共通点は、「戦争体験」にあるなあーということ
に気づいたわたしは、戦争にこだわり、つらい体験から
逃げずに積極的に発言しているおじいさん、おばあさん
世代に着目するようになりました。
合わせて、戦後史も一通りおさらいせねば・・・と、思って
います。

先日も、岩波新書の『ポスト戦後社会』を何人かの人に
お見せして、「むちゃおもしろいよー」と勧めたのだけど、
わたしが無知すぎるというか、「あさま山荘事件」のこと
とか、知ってるようで知らなかったのよねー。
(ことの発端が連合赤軍派内の女同士の対立にあった・・
 なんてー。しかも思想的なことじゃ全然なくて、
 口紅の色が濃いとか、男に媚びてるとか、そんなこと
 だったらしい。ま、人間なんてそんなものかもしれません)

こっちは、いずれそのうち・・・ということで、今回紹介する
のは、

『対論 異色昭和史』鶴見俊輔・上坂冬子 PHP新書
書評

戦争に対する考え方、特に憲法第9条についての考え方
など、違いはあるものの、お互いを認め、尊敬しあって
いるお二人・・・ということが、全編を通して伝わって
きます。

だから、とにかく、さわやか。
読んでいて気持ちがいい。

しかも、本気で生きてきた、今も生きているという方たち
なので、言ってることも、行間も、生き生きしている。
つまり、おもしろい。
建前じゃない。
(上坂さんはこの本の発刊後、4月にお亡くなりになり
 ました。ご冥福をお祈りします)

後藤新平の孫という屈折した家族関係の中で、母親に殴
られて育ち、うつも何度も経験したと屈託なく語る鶴見さん。

彼は日本の学校は小学校しか出ていなくて、その後、政
治家でもあったお父さんが、ハーバード大に送りこんじゃ
ったそう。

和子さんと交換船で帰国後は、「日本が負けた後」のこと
について、政治家の父と和子さんと俊輔さんは、毎晩語って
いた。

一方の上坂さんは、純粋軍国主義少女、神風が吹くと信
じて疑わなかった。

そんなふたりが、「思想の科学」という鶴見さんが戦後発刊
した雑誌を通して出会う。

当時、トヨタに勤務していた上坂さんが書かれた日記を
「思想の科学」で公表したいと鶴見さんが持ちかけるの
だけど、労働争議の一部始終が書かれたそれが表に出る
ということは、上坂さんにとっては、首を意味していた
わけで。
それでも、公表を承諾し、上坂さんはトヨタを辞め、
文筆活動に入る。

「僕たちはおぼっちゃんだから、食べるのに困ったことが
 ない」
「そうなの。どの顔を見ても私が首になったって助けて
 くれそうに見えなかったし。どれもこれも実社会で
 役に立ちそうもない人ばかり」


って言い放っちゃう上坂さん、かっこいい。

そうよねー(わたし、麻生さんも鳩山さんも庶民のふりなんか
しないで、正直に「僕たちはおぼっちゃんだから」って言っ
ちゃえばいいのにって思うよ。だって誰が見たって「お坊ちゃ
ん」じゃない)。


上坂さんは「食べるため」に文章を書く。
そんな上坂さんを、鶴見さんは尊重している。

わたしも食べるためにものを書いてきたから
上坂さんの潔さに、思わず好感を持ちました。

憲法第9条に関するやり取りも、従軍慰安婦に関する
やりとりも、率直で、情緒に流されたりしない。
しかも、あの時誰が何を言ったか、したか等々、
基礎知識が入っているお二人なので、
エビデンスがしっかりしている。
で、自分の言葉になっている。
もらってきた言葉(思想)じゃない。

「知識」の使い方をここで学ぶ感じ。

「戦争はもう二度とごめんだ」
というのがお二人の共通の認識であり、
アメリカという国に対する不信感(ではすまされない
いろんな複雑さはありますが)も、共通のもの。
なんだけど、考え方が違う。

憲法9条は理想であり、マナーであるという立場の
鶴見さんと、

「憲法は現実的な規範として扱われなければ意味が
 ないじゃないですか」
「軍隊を持たない変形の国家がどうしてマナーを
 主張できますか」

と言いきる上坂さん。

私は戦後生まれのあさま山荘事件もよく知らなかった
40女なので、「戦争はいやだなー」「息子を兵隊に
とられるなんて、ぜったいやだ」と思っているから、
ある意味「鶴見派」なんだけど、

「でもね」とアメリカ、ロシア、北朝鮮等々
世界のあちこちで現実に起こっている戦争と戦争の火種
を指摘し、
「日本だけ理想を語っていてすまされますか?」
「日本は戦争しなかったけれど、その代りにどこかの
 だれかが戦争で死んでいますよ」
と、きちんと話す上坂さんの勇気と潔さに、圧倒される。

曖昧にごまかすほうが楽。
組織に属さず、からだを張って、ものを言うって、
すごいこと。

だから、鶴見さんは上坂さんを尊敬しているんだと
思うし、それを認めてくれているとわかっているから
上坂さんと鶴見さんには何十年もの変わらぬ友情がある
のだと思う。

「私は樹木のように成長する思想を信用するんだ。
 大学出の知識人はだいたいケミカルコンビネーション。
 そういう人は人間力に支えられていないから駄目という
 考えです。私と接触のある人では、上坂さんにしても
 佐藤さんにしても、樹木のように成長しているものを
 感じるね。文章を見ればわかる。」


ことばをなめては、いけない。







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Last updated  May 21, 2009 09:10:22 AM
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