杉山です。

新聞等でご覧になった方も多いと思いますが、
育児・介護休業法改正案が可決されました。

改正案の概要はこちら。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/04/dl/h0421-1a.pdf

ポイントは下記の通り

・3歳未満の子どもがいる従業員に対する短時間勤務
　制度と残業免除の義務化

・育休を取る場合、取得できる期間は「子どもが1歳
　２か月になるまで」（現行は１歳になるまで）

・看護休暇は、小学校就学前の子ども１人なら年５日、
　２人以上なら年１０日まで

・父親が産後８週間以内に育児休業を取得した場合、再度
　育児休業を取得することが可能とする

・配偶者が専業主婦（夫）である場合は、育児休業の取得
　不可とすることができる制度を廃止する

・勧告に従わない企業名の公表


こうして、着々と子育て中でも働きやすい職場環境が
整えられていくんだなーと、ふむふむしています。

一方で、このレールに乗れない人たちが厳しいんだよなー
と、気になります。

そういうもれの部分をきめ細かく拾ってきたのが
内閣府の男女共同参画局なのかもしれないなあーと、
思ったりしています。

わたしも参加しているワーク・ライフ・バランスに関する
専門調査会もとりまとめに向けていよいよ大詰めです。
これは、できたらまた紹介します。

また、以前も紹介したかもしれないけれど、
「「新たな経済社会の潮流の中で生活困難を抱える男女について」
とりまとめに向けた論点整理」
も、なかなかよい報告書になっているので、ぜひ、ご覧になって
みてください。



女性の７割が出産や子育てで仕事を辞めていて、その後
働きたいと思っても、パートやアルバイトぐらいしか職が
なく、それは、

夫にとっても、職場にとっても、社会にとっても都合のいい
働かせ方

夫＝「家庭のことは君に任せた。だけど、僕のお給料だけ
　　じゃ、家計は厳しいから、扶養の範囲でちょっとだけ働いてね」

職場＝「必要なくなったら、いつでも切れる。年金や医療保険
　　など負担しなくてすむ」

社会＝「女性のチカラの分散」　　

と、本当のことを言っちゃっているんだけど、

なんかさあ・・・

誇りを持って働けるよう、制度整えていってよ、と、
つくづく思うのです。



多様な働き方に耐えうる制度になってない。
ということを、踏まえて。

育児休業法の改正など、正規雇用の人たちの働き方を
整えていく

と同時に、


管理職など責任のあるポジションに、女性をどんどんと
増やしていってほしい（ポジティブアクション）

と同時に、

いったん仕事を辞めた人たちも、能力を生かしながら、
できるだけよい雇用環境のなかで生きがいをもって働
けるよう、やり直す道をたくさん、たくさん用意する
（再チャレンジ）

ですな。


「でもー」「だって」「どうせ」で、会話する人を
わたしたち夫婦は３Dと呼んでいるんですが、
自らなんとかしようと思わない人、くすぶっている人は
もう、他の人も制度もどうすることもできないわけですが、

「明日が見えないような働き方はもう嫌なんだ」
「なんかおかしい、と思いながら、その状況に甘んじて
　なければならない自分はもう嫌なんだ」
と思って、必死にもがいて、SOSを発信している人に、
確かな手が差し伸べられる社会。
（「わかるわーあなたはそう思っているのねー」みたいな
　薄っぺらな受容と共感だけじゃあなくて）

ここをつたって、自分の力で登っていってごらん・・・
というような道を示せる社会。

若い人たちを甘い言葉で誘って、「簡単」「便利」に
すぐ、バイトが見つかるよーみたいな、そういうんじゃ
なくて。


めざしているのは、そういうの。