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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
杉山です。
今日は、雨っぽいですね。 皆既日食、どうなるんでしょうね。 テレビ中継で、「ショー」にしているようですが、 こういうことは、わたしらに見せる、「ショー」 じゃないんだなーということを、つくづく実感します。 一方で、「ショー」にしたがる人がいる。 ツアー旅行のパンフレットを参考に、個人旅行を企画 しようとするんだけど、情報がまずすぎて、企画できない。 つまり「わたしどもにお任せいただければ、あなたは なんもしなくていいですよー」ということで、 「よけいな知恵や口は、はさまないでー」というこそくな メッセージがページ全体からあふれていた。 そんなツアーにだまされてのこのこついていったら、 下手したら、死ぬかもしれん。 (「わたしはのこのこついていっている」という自覚を 持ってついていかないとね) 今朝の朝日新聞に載っていたのだけど、ロスジェネ世代が、 小泉政権にうっかり投票してしまって、「自分で自分の首 をしめた」そう(宮台さん、雨宮凛さん)。 官僚主導の政治を改めるとか、地方分権を進めるとか、 必要なのは百も承知なのだけど、それは全部、国民にかえ ってくる。それを、受けてたつほど 成長しているとは、正直なところ思えない。 だって、おいしいとこどり「ショー」に慣れきってるから。 それは、教育の問題でもあると思うのだけれど。 というわけで、今日紹介するのは、 女性の働きかた 武石恵美子(編著) ミネルヴァ書房 武石さんはじめ、矢島洋子さん、樋口美雄先生、大沢 真知子先生、池本美香さん等々、存じ上げている方たちが 多数登場する本です。 特に矢島さんが書かれている「わが国の女性就業の特質」 の章は、彼女が企画官として調査していた内閣府の国際比較、 国内比較のデータをもとにまとめられたもので、こうした形で 改めて世に出たことを、この調査委員会に参加した者として 「よかったなあ」と、思っています。 日本女性の労働力率が他国に比べてどうなっているか、 その間の出生率はどうなっているか、 70年、85年、2000年と比較してどうか。 1985年から2000年にかけて、アメリカ、オランダ、デンマーク、 ルクセンブルクでは、合計特殊出生率が回復傾向、 00年から05年にかけて、スウェーデン、イギリス、スペイン、 イタリアなどで回復傾向、フランスは、85年から05年にかけて コンスタントに回復。 回復の背景には何があるのか、女性就業はどうなっているのか、 を丁寧に分析しています。 わたしなどは、直感とか自分の思い込みとか、こうなったら いいなーといった個人的な「思い」が先走って、 「こうあるべきだ!!」と、つい言いたがってしまい、 時として、まどろっこしくなって、 「データ、データって・・・フン!」という態度に 出てしまうのですが、 そういうわたしに、いつぞや矢島さんは 「データ屋は、データでしか言えないことがあるんじゃないか と思って、とにかくそれを積み上げていく」 と、話してくれたことがありました。 かといって、彼女に直感や個人的な「思い」や「こういう 社会がきたらいいな」といった希望がないわけではなく、 それはとても熱く、強くあって、 だから、地道にデータに出していくという作業をする・・・ という「仕事人」なわけです。 そういや、わたしがお目にかかって、お話をうかがったり している学識の先生って、みなさん、そういう方たちばかり だよなあーと、思いました。 ストレートなことばはどこにもないけれど、 情熱が数字や行間から伝わってくるよ~~。 そういう方たちをみていて思うのは、直感や感性だけで、 世の中云々する、あるいは言うことは、ある意味危険である・・・ ということです。 個人が個人レベルでわいわい言うのは、まったく問題ない と思うのですが、それが、一般化され、制度や施策に反映 されていくというのであれば、 それなりの裏付が、必要。 データは、その裏付けであり、説得材料となるのです。 それを、利用して、「変えろ」と言っていく。 そのプロセスで、変えてもいいよ、わたしたち、 変わる準備はできてるから・・・と言えるような わたしたちになるんだろうと思います。 先のロスジェネみたく「うっかり」、「小泉劇場に 載せられて」、「ショーに自分も参加する感覚で」、 間違った判断をしてしまうと、自分で自分の首をしめる 結果にもなりかねない。 「変えろ」というなら、自分も変わんなきゃね。 それには、まず、すでに行われている地道な努力を 認めることからはじめるしかないし、 地道な努力をすることだと思います。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 全然関係ないんだけど、先般、ある人から このままでは死にそうという子どもをみつけて、 見るに見かねて、 「ご飯食べてく?」と、声をかけて、家に招き、ご飯を 食べさせてあげたという話を聞きました。 すごいねえといいました。 自分たちにも家庭があるから、 ずーっと面倒みることはできない。 怖い。 今、「一般的な」人にできる最善策は、警察や子育て支援 センターなどに電話をかけて、通報すること。 それだって、すごいこと。 でも、対応する人が限られていて、もういっぱいいっぱい なんだってことも、知っている。 一番必要なのはなんだろう?と聞いたら、 「隣人愛」ではないですかねぇと、その人に言われた。 「隣人愛」かあ。 ご飯を食べさせて、その後、保育園に相談したら、 園長先生が、「ああ、あの子のことはみんな心配して いたんですよ」と、上手につなげてくれたという。 そうやってつなげられるんだ、と、安心したら、 きっと隣人愛が、見える形になっていくんだろうと 思う。 「ショー」にはならない、現実のおはなし。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 22, 2009 08:20:38 AM
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