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カテゴリ:月末男☆西川正(ハンズオン埼玉)
月末のおじさん、西川です。
今月はみなさんにとって、よい月だったでしょうか。 それとも、いまいちだったでせうか。 インフルエンザいかがですか。 我が家にも昨日やってきました。 保育園通いの娘が、お熱でしたが、 タミフル投与で、一気に熱がさがりました。 ほっ。 さて、 先日、にっぽん子育て応援団の緊急集会に参加させていただきました。 四つ葉の関係者のみなさん、オールスターで、 たくさん動いていらっしゃいました。 お疲れ様でした。ぺこり。 集会の結果はまたどなたかがどこかで報告されると思いますが、 論点はやはり、5兆円の子ども手当。 子ども施策が選挙の争点になったこと、 実際に予算化されること については、評価する発言多数。 しかし、 「5兆円くばるより、現物サービスに投入してほしい」 「5兆円の1/100でいいから、現物に投下してもらえば いろいろなことができる」 「保育所の制度の緩和はありえない、やめてほしい」 などなど、それぞれ現場のリアルな声が届けられて、 とてもよい学びの場になりました。 わたしもずっとNPOの周辺を仕事としていて、 お金については、ほんとに苦労してきました。 なので、現金給付のインパクトって大きくて、 もらえるもんは、ほしいと思いつつ、 現金給付ばかりになって、 むしろ仕事のほうに 予算がまわらないのではないかとも思い、 とても気持ちはゆれてます。 ___________________ 子ども手当。 うちのような貧乏人にも、 お金持ちにもすべて一律26000円。 一律はどうなんだとか、いろいろ意見が出てますね。 みなさんはいかがお考えでしょうか。 わたしもどちらかというと、 現物給付派ではあるんですが、 別の視点からみると、一律現金給付も悪くないかもと 先日、とある雑誌で知りました。 ベーシック・インカム(BI)という施策です。 生活に必要な最低限の収入は、 無条件に、すべての人に保障されるべき権利だ、 という考え方です。 具体的にいうと、 年金はじめ、さまざまな社会保障を、 統合または廃止して、 たとえば大人月額10万円子ども7万円などを 一律に、すべての人に支給する というような施策です。 例えば、子ども二人の母子家庭では、 10+(7×2)=24万円、 これに母親のパートをすすめるということになると、 月額で30万こえると。 私は20代のころ、 障害者当事者による社会変革を求める団体の 専従として働いていました。 「働かざるもの食うべからず」 を基本に現在は世の中のしくみがつくられていますが、 その中では、障害者など、働けない人は、どうとらえるべきか、 福祉作業所の労働とはなにか、 重度障害者にとっての労働とはなにか、 または、賃金労働になってない家事労働はどうとらえられてきたか、 と、よく議論していました。 そのために国家は、 年金制度や生活保護、雇用保険などをつくってきたわけですが、 それらの制度が、はたして、人々を「統合する」方向で作用してき たでしょうか。 福祉はあいかわらず、 かわいそうな人々に、~してあげる、の世界で、なんか暗い。 「かわいそうな人に配る」では、 どうしても、スティグマ(恥辱感)がのこります。 また、 それぞれの制度で、受給者の選別には膨大な労力(税金)を投入し てきました。 (「消えた年金」問題をみれば明らかですよね。) 一定額を一律に給付するBIという方法は それらを解決するといいます。 最初、私も、 「お金をくばったら働かなくなるのではないか」 と思いました。 でも、考えてみると、 いまの日本社会は、きちんと働いても、 生活に必要な収入が得られないですよね。 もしBIを開始すれば、「働かされる」働き方を 無理にしなくてもよくなるかもしれない。 たとえば、生活のめどがたたないために、 暴力夫のもとをのがれられない女性は もしBIがあれば、出ることができるのではないか。 もしBIで、最低限の現金収入が入るなら、 農業に従事する人も増えるにちがいない。 半農半BI、半○半BI…… NPOでも喰えるかもしれません。 ちなみに、 社会主義ではありません。 配られたお金は市場で自由に使うことができます。 お金持ちになりたいひとはなれます。 生活保護者をはじめ社会的に支援が必要な人々に対する 偏見(「ずるい」という感情など)も消えるかもしれません。 人々がやりたくない仕事の賃金はあがります。 金持ちにも、というのは心理的は抵抗ありますが、 たとえば図書館や道路が、 お金持ちにも、貧乏人にも同じように、 現物が給付されている、と考えれば、 それを現金におきかえるだけなので、 そう不自然だとも言えないような気がします。 ま、財源とか現実的にはかなり難しいのかもしれません。 異論もたくさんあるでしょう。 私もあります。 ただ、そんな考え方もあると知っておいてもよいかなと。 民主党の5兆円の手当がはじまったら、 どうなるのか、こういう視点でも見ておきたいです。 所得保障という意味では、 「給付つきの税額控除」(つまり一定所得以下にはしない制度)も 年末の税制論議で話題になっていくようですし。 http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/display/6548/ ___________________ 閑話休題 BIをわたしは最初、 『We』という小さな雑誌で知りました。 この雑誌、時代のちょっと先のキーワードを追いかけています。 世の中でメジャーになるちょい前の人がたくさん登場します。 ぜひ購読してみてください。 http://www.femix.co.jp/ 最新号でとりあげていて、 第一人者の山森亮さんのインタビューが掲載されています。 また、山森さんの著書、 『ベーシックインカム入門』(光文社新書 はたいへんわかりやすく解説されています。 お金をめぐる考察では、 数年前に地域通貨のブームがありましたが、 その当時よんだ『エンデの遺言』 に匹敵するおもしろさがありました。 ___________________ そんなわけで、以下もう少し蛇足。 にっぽん子育て応援団緊急集会に話を戻します。 お金がだいじであることは当然ですが、 お金だけで人が幸せになるはずがありません。 議員のセンセイ方もそうおっしゃってました。 「他もちゃんとやります」と。 わたしが印象にのこったのは、 横浜でひろばなどを運営されている方からの次のような発言でした。 (言い回しはちがったかもしれません) 「子どもが生まれたから、いろいろな人と出会えた、 つながれた、というような経験ができるような社会にしていきたい」 子どもが生まれて、 社会との関係を絶たれた、孤立したと感じるのか、 子どもが生まれたから いままでとは違う出会い方が生まれたと思えるのか、 そこがポイントのような気がします。 本来、人がつながるときって、 「困りごと」か「おもしろいこと」のどちらかだと 私は思っています。 (そのどちらかのとき、人は他人に声をかけていくんですね。) つまり困りごとは、本来、人をつないでいくはずなのに、 むしろ孤立がすすんでいく、ってのは、 やっぱりなにかが、おかしいですよね。 長くなりました。 11月も、みなさんにとって、 よい月になりますように。 疲れたらたき火をして、ヤキイモ食べましょう。 http://yakiimotime.com/ そろそろ満月ですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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