カテゴリ:考えごと・所感
中国に「言論の自由」はあるかと聞かれたら、
「ない」といわざるを得ないだろう。 一党独裁の共産党を表立って批判することはできないのだ。 だけどちまたでは結構政府の批判など好きなことを言っている。 ぶつくさ文句を言う程度なら体制に何の影響も出ないから 別に問題なし、なのだ。 メディアやネットなどでの共産党批判、政府批判関係には 非常に敏感だが、それ以外の部分で言論を制限されていると 感じる場面はほとんどない。 いっぽう日本は言論の自由が保証された民主の国だというが、 みんな好きなこと言ってしょうもないスキャンダルは飛び交っても つばめは政府に自分の意見が反映されたと実感したこともないし、 選挙で政治家を選ぶ時も、 「よく分かんないな~、A氏の名前はよく聞くし、 なんか見た目もさわやかそうだから、これにしとこう」 とか、 「B氏は私の大学の同窓とかでしょっちゅう電話もかかってくるし、 こないだ街頭で握手までしちゃったし、Bに入れとこうか」 とか、 「どの党もいまいち選ぶ気しないし、 この際、無党派のこれにしとこっかな」 とか、そんな適当なことで投票していた始末。 「あなたの一票が政治を変えます」なんて言って 国民を選挙に行かせようとするけど、 一流知識人はさておき、多くの一般国民の意識は つばめと似たり寄ったりなのではないだろうか。 だから名前や顔が通ったタレントが有利だったりする。 よく考えもせず、適当に一票を投じる人が多数いるとすれば、 それによって政治家が選ばれるシステムって 間違っているんじゃないかとさえ思えてしまう。 民主主義がその長所を発揮できるのは、 「民」のひとりひとりが聡明である場合に 限るのではないだろうか。 ま、一党独裁じゃないことに意味があるといえば そうかもしれない。 こっちの党が間違ったことをすればあっちの党が批判する、 また逆もしかりで、多党が存在することで お互いに監視しあって よりよい政治をめざすことができるという その理念は分かる。 だけど現実は、たがいに相手の足の引っ張り合い、 しょうもないスキャンダルを見つけ出しては 批判大会をしているという印象がぬぐえない。 それでも多党政治だけが絶対無二の すばらしい政治システムだと言い切れるだろうか。 確かに中国は共産党の一党独裁政権で、 新聞もニュースも政府のプラス面しか報道しないので、 それを毎日見ている国民は、ある意味 マインドコントロールされているといえなくもないが、 政府の目指す方向が間違ってさえいなければ 多党であーでもないこーでもないとごちゃごちゃやっているより 有効な政策をすばやく実施できるという利点がある。 それにずっと政党が変わらない超安定政権なおかげで、 政権争いにすったもんだして時間やお金をロスすることもなく、 長い目で見た政策が打てる。 それに一党独裁とはいえ、「人民共和国」というだけあって、 人民の代表が集まる会議や、新聞、ネットなど、 政府はいろんな方法でちまたの一般国民の意見を吸い上げるので、 その気があれば、案外政府に自分の意向が届いた実感は 日本より持ちやすい可能性だってある。 つばめなど、中国政府が新聞の一面で 保険制度や発表された政策の政府案について、 たびたび市井の意見を募集しているのを見て驚いたものだ。 ちゃんとメールアドレスや、意見書を送るあて先まで書いてある。 市民と政府が直接つながっている感じがして すごいなぁ、って思った。 2ヶ月とか3ヶ月とか期限を切って意見を募集し、 その後政府のほうで集計・検討して 新政策の発表となるようだ。 消費税増税にしても保険制度にしても、 何年にもわたって改革の政策を話し合っては実行に移せず・・・ ということがままある日本と比べて、 数ヶ月単位でどんどん話が進むそのスピード感も面白い。 日本を含め西側諸国は「民主主義は絶対で、社会政治は悪だ」 と思っているふしがあるけど、中国だって民のために政治をする 「民主の国」だと自負しているようだし、 実際、大きな方向で今の共産党の舵取りは間違っていないと 多くの中国国民は感じているようだ。 独裁というとヒトラーなどの恐怖政治を連想しがち。 一党独裁政権の世界に生きたことのない人は、 知らないゆえにそれに偏見を持ちがちだけど、 中国国民の明るい表情や、いきいきと暮らす様子などを見ると、 一党独裁政権だから悪とは限らないんじゃないかな、 と思うつばめなのであった。 ↓たんぽぽ見つけた♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/04/28 01:49:21 AM
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