先日、中国の列車事故の話から、
中国人の国民性に触れ、
今回の事故は、そういうまぁまぁ主義の
中国人の気質が起こした事故ともいえるかもしれないと
書きましたが、それを読んだある方から、
「国民性もあるかもしれませんが、
それよりも国の体制、腐敗、組織のあり方に
問題があるのでは?」
とのご指摘をいただきました。
その方は、国民と政府との関係が根本的に違う、
中国の政府は国民を虫けらのように扱っても
選挙で落選する心配もなく、政府の責任を訴える
裁判など起こされない(起こされたとしても絶対政府は負けない)、
共産党一党独裁体制であることが
事故やまたその後の対応の違いとなって
出ていると見ているようで、確かにその通りかもしれない
と思いました。
今回の事故の報道を見て、中国も変わってきたんだなぁ、
一般市民が政府の責任を追及できるようになってきたんだなぁ、
と思っていたのですが、それは政府自らが
事件をもみ消したりすることが
逆に中国の発展を阻害すると考えるようになったからではなく、
外的要因によって政府も変わらざるを得なくなってきた、
今までのような国民を虫けらのように扱うような対応や
事件をもみ消して終わりという対応では
やりすごせなくなってきているということだと思います。
最近、故宮にある一級文物が、扱いを間違って
破損したのにそれを関連部署に報告せずに
隠しているとネット上で話題になり、
調査が入って、故宮博物館もその事実を
認めざるをえなくなったり、
ケンタッキーの食品安全について、
内部事情を知る人が内部告発のような形で
ネットで情報を流したことでそれが大きな事件となり、
ケンタッキーが企業として正式にそれに対しての
コメントをしたり、ということが頻繁に起きています。
先にネットで取り沙汰されることで
問題が広く知られて社会問題になり、
新聞やニュースでも取り上げられる
大きな事件になっていくのです。
インターネットというのは、
事件が起きたら、数億ものネット市民の間に
瞬時にその情報が流れます。
だから政府が都合の悪いことを隠そうとしても、
すでに情報はネット市民の間に流れた後で、
もみ消そうにも消せず、
無理やりもみ消したら、今度はネットで
それが取り沙汰されます。
国民一人が何か物言っても政府は口をふさげますが、
数億ものネット市民の声は、政府も無視できないのです。
下手な対応をすると、国民の信用を失い、
共産党一党独裁政権の座がゆらぎます。
ネット市民もそれを心得ているからこそ、
ネットで真実を世に問うのではないでしょうか。
自分の後ろにはみんながいる、
自分の意見が正当で多くのネット市民の支持が
得られるようであれば、それは大きな力となり、
政府を動かすこともできるのです。
ネットの匿名性も大きく関係しているでしょう。
名前を名乗ってから言えと言われたら、
怖くて本当のことを言えないけど、
匿名だからこそ言えるということもあります。
ま、逆に匿名だからデタラメな情報を
好き放題流すこともできる、とも言えますが、
真実というのはやはり説得力があり、
多くの人の心を動かします。
中国の正義はネットから始まりつつある、
といっても過言ではないのではないでしょうか。
今回の列車事故は、国民の命を虫けらとも思わない
中国の古い国家体制の組織や腐敗が起こした事故とも
言えるかもしれませんが、
そういう中国も変わらざるをえないところまできているんだなぁ、
と感じているつばめです。
↓生後110日目(3ヶ月半)、フラフラと首を持ち上げてます