カテゴリ:日本語研究・日中対照研究
日本語教育に関する講座に出席した帰りの地下鉄の中、
つばめの頭にはいろいろな思いが頭をよぎりました。 時間があり余るほどあった若かりし日。 その時間は永遠に続くような気がしていた。 その時間をなんて無駄に過ごしてきたことだろう。 20歳から数えて、気がついたらもう、 20年近くの月日が流れたのだ。 60歳を一応仕事の定年と考えた場合、 40歳というのはすでに その折り返し地点にさしかかっているということになる。 結婚し、子供を産み、アラフォー世代となった今、 過ぎ去った時間の重みを改めてひしひしと感じました。 人生には、その時期にしかできないことというのがあって、 それは後からやろうと思っても、もうできるものではない。 結婚はさておき、子供ができてからは、 自分の時間の大半を子供に捧げているような感じ。 子供の世話をしながら、「一心不乱」に仕事に打ち込む、 というのは、普通考えるとなかなかできにくいことだろう。 仕事のキャリアの基礎を作るのは、 やはり20代の時だと思う。 今回、講演会に参加してショックだったのは、 研究者にも年齢制限があったのだ、という事実に 気づかされたこと。 つばめは、研究者であれば、本人に意欲と能力さえあれば、 年齢はそんなに関係ないような気がしていた。 でも、研究者も、他の仕事と同じで、 やはり20代にその基礎を積んでおかないと かなり難しいということを思い知らされた。 結婚、出産、子育てと、女性が人生の忙しい時期にさしかかると、 仕事でも研究でも、新しい分野で1からキャリアを積むのは 難しくなる。 つばめが日本語教師になったのは、28歳の年。 日本語教師養成講座に通って「一心不乱」に勉強して 日本語教育検定試験をパスし、新米日本語教師になった。 それから毎日それこそ徹夜の勢いで「一心不乱」に授業準備。 とにかく、初級から上級までひととおり教えるまでは、 毎回の教案作りから、道具やカード作りまで すべてが初めてなわけだから、本当に大変だった。 そういうことができたのも、独身で子供もおらず、 24時間すべてが自分の時間だったからに他ならない。 その後結婚して日本での仕事を辞め、中国に渡った。 夫の転勤について、中国各地を転々と引っ越しを重ねることが続いたが、 大連のBPO企業で社内イントラネット上の日本語教材を作ったり、 日本の日本語学校の中国人学生募集の仕事に携わった。 中国各地の仲介会社を回り、紹介してもらった中国人学生を面接し、 その学生たちの書類を日本の入管に提出するまでの 書類チェック、ビザ受け渡しまで。 1回出張に出ると、1か月以上家を空ける仕事で、 こんなのも、子供がいなかったからこそできた仕事。 募集時期に合わせて年4回中国各地を出張+日本出張もあったから、 1年のうち半年ぐらい家を空けており、夫ともすれ違い生活が続いた。 夫の再転勤に伴ってその仕事を辞した後、 今度は中国の仲介会社で、日本に留学したい中国人学生に 日本語を教えながら、中国人学生を日本の 各学校にあっせんする仲介業の仕事の実情を垣間見た。 その後、再び夫の転勤に伴って北京へ引っ越して すぐ妊娠、出産。 もしちゃんと勤めている時に妊娠したのであれば、 産休・育休を取って復帰というのも考えたかもしれないが、 つばめのキャリアはそこで途絶えたままである。 下の子が幼稚園に入ったら再就職しよう、 日本語教師もいいけど、子供がいなかった時のように 時間をかけて授業準備なんてできないだろうし、 なんか少し別の仕事ができないかなぁ、 などと漠然と考えていたのだが、 子供が3歳になっても4歳になっても、 つばめに母としての仕事がなくなるわけでない。 まもなく40代にさしかかろうとしているこの年齢で、 子育てをしながら再就職を望むなら、 まずはさびついた頭をりハビリした後、 今まで蓄積した経験をもとにやれる仕事を探すというのが 一番現実的なのかもしれない。 (もしくは雇ってもらうのではなく自分で何かするかですね。) もう取り戻せない年月を痛みとともに思う時、 「人生は短い、ぼーっとしてたら、 何もしない間に終わりが来るだろう」 という思いが込み上げてきた。 仕事でも、趣味でも、好きなことをやって、 好きな人とつきあおう。 自分の好きなこと、自分が大事だと思うことを もっと真摯に追求しよう。 そして、ああだ、こうだと言い訳するのはもうやめよう。 自分の人生を、もっと大切に生きよう。 そんな物思いにふけりながら帰宅し、家のドアを開けると、 二人の子が、母の顔を見るなり うれしそうな笑顔で駆け寄ってきた。 子育てをすることで失ったものも大きいけど、 背中にくっついたり、太ももにすがりつく子供たちを感じながら、 私はこれでよかったのだ、という妙に納得した気持ちになった。 子供の笑顔は何物にも勝りますね。 この大切なものをずっと守っていきたいと、 改めて思ったことでした。 P1140074 posted by (C)つばめ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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