カテゴリ:日中時事
最近、病院で生まれたばかりの新生児が
誘拐されて売られるという事件が、 幾度となく新聞を賑わせている。 誘拐といっても、その犯人はなんと その新生児を取り上げた医者。 臨月に入り、まもなく出産を迎えた人の家族に、 「おなかの子供の超音波写真から判断して 子供は生まれても助からない (もうちょっと専門的に詳しい)」 というような嘘をあらかじめ吹き込んでおき、 無事に生まれた健常な子供を両親やその家族に引き渡さず そのまま売り飛ばすという悪質なもの。 子供の母や家族が、子供の死体を見せてほしいというと、 「悲惨な状態なので見せられない」 と断り、家族が子供の死体を引き取りたいと要求すると、 「病院の規定で、専門の死体処理者が処理するので、 家族は引き取れない」 と断っていたらしい。 出産してすぐの母親に、 「子供を新生児科に移さず治療放棄する」という旨の文書に 文面を読ませずサインをさせ、子供の父親には、 「問題が起きても、病院は一切責任を負わない」 という文書(下半分は空白)にサインをさせる周到さ。 なぜ文面も読まないでサインするのかと 日本人なら不思議に思うかもしれないが、 中国で不動産関連文書はじめ、出産時も含め、 いろんな文書に、文面読まずにサインさせられてきた つばめの経験からしても、 中国では文面を読ませず、あるいは空白のままの (相手が後から書き込めるように) 文書にサインするというのは、 ほんとによくあることなので、 医者の機嫌を損ねたら 産前産後にちゃんとした対応をしてもらえないという 心配もある中で、サインを拒むとか、 文書を読んでからサインしたいと要求することは 全く言えない雰囲気だったということは 想像に難くない。 この医者、新生児を売り飛ばしたうえに、 死体処理費という名目で、 ほんとは200元だけど100元に負けてあげるといって 被害者家族からお金を徴収し、その後、その家族からの つけ届けまで受け取っていたというから よっぽど腹黒い医者だ。 医者ばかりでなく、病院全体がグルだった可能性も 否定できない。だって、医者ひとりが、生まれた新生児を、 看護婦や周りのスタッフの誰にも知られずに さらって売り飛ばすなんてことが、できるだろうか? 義母はこういう信じられないような事件があるたびいつも、 「中国は広くて、人が多い。だからほんとにいろんな人がいるし、 どんなことだって起こりうるんだよ」 と、つばめを諭すように言う。 こういう事件が起きるのは、 ほんとに中国の面積と人口の多さのせいなのかどうかは 分からないが、 まだその辺で子供がさらわれる事件が後を絶たない中国、 日本では考えられないようなことが起こる国、 自分はそういう国に暮らしているんだと、 時々肝の冷える思いがするつばめであった。 IMG_5538 posted by (C)つばめ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[日中時事] カテゴリの最新記事
|
|