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2018/05/23
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水曜日、野田尚史先生の公開講演会に参加しました。
野田尚史先生の講座
野田尚史先生の講座 posted by (C)つばめ

野田先生といえば、私の中では、日本語教師になって間もない頃に
購入した「セルフマスターシリーズ1 はとが」の著者。
「は」と「が」
「は」と「が」 posted by (C)つばめ

現在は国立国語研究所の教授でいらっしゃいます。
そんな超有名な先生に直接お会いできる機会があるなんて、
日本の故郷にいるより、北京にいるほうが
よほど色々なチャンスがあるように感じます。

特に、北京外国語大学内にある「北京日本学研究センター」は
日本語学の第一線で活躍される名だたる先生方の特別講義や
シリーズ講座などが入れ替わり立ち替わり開催され、
すごく恵まれた環境のようです。
今回は公開講演会ということで、誰でも参加できる講座だったので、
つばめ、まるでスターに会いに行くように
ドキドキしながら講演会を聞きに行きました。

講演会の内容は、
日本語学習者が「聞く」「話す」「読む」「書く」
という言語活動を行うためには、
それぞれの言語活動に合わせた文法が必要だ、
そのための日本語文法の開拓が必要だ、
というものでした。

「聞く」の例としては、肯定か否定かを理解するための文法や
省略されている語句を特定するための文法、
「話す」の例としては、自分の発話を訂正するための文法や
聞き取れなかった部分を聞き出すための文法、
「読む」の例としては、「など」が含まれる文の構造を理解するための文法や
「~は」と「~が」の係り先を理解するための文法、
「書く」の例としては、長い文を短い文に分割するための文法や
依頼をうまく断るための文法などがそれぞれ挙げられました。

一つ一つはそれぞれ、確かにそのような文法は
私たち日本語母語話者の中に存在するけれども、
これまで日本語学習者にそれがきちんと示されることがなかった
という類のものばかりで、なるほどと思わせられました。

ただ、かなりマニアックな印象も受けました。
例えば、「長い文を短い文に分割するための文法」の話を
聞いたとき、すぐに1人の教え子のことが思い浮かびました。
この人はとにかく文章が長すぎて分かりづらいので、
文章を適当なところで切るように言うのですが、
何度言っても直らないのです。
その点では、長い文を短い文に分割するための文法があるはずで、
それを教えなければだめだ、という野田先生のご主張には頷けましたが、
しかし、そのような問題を抱える学習者は、
私が教える26人クラスでたった1人です。
大多数の学習者は文章が長文になってしまうという問題を
目立って抱えてはおらず、
野田先生がおっしゃる「長い文を短い文に分割するための文法」は
かなり限られた学習者にのみ提示が必要な文法ではないか、
という気もしました。
また、同じような学習経路をたどってきたにもかかわらず、
26人のうち1人だけ日本語の文章が長文になるという場合、
それは本当に日本語教育の問題なのか、
その人自身の思考回路や物事の認知の仕方、
あるいは性格などが原因で長文になっている可能性はないのか、
という思いもぬぐえませんでした。
このほか、「など」が含まれる文の構造を理解するための文法にしても、
かなり長くて複雑な構造を持つ文章を想定しており、
上級以上の人のための日本語文法であると感じました。

今までの日本語文法に基づいて上級までたどりついた日本語学習者が
上級までに教えられてこなかった文法の落とし穴を
埋めていく感じなのかな、という気がしました。
私は企業でビジネス日本語を教えたり、
中国人社員が翻訳した日本語のネイティブチェックをする中で、
上級(N1)までの文法に出現しない文法が
日本語にはまだたくさんあるようだということを日々感じていたので、
そういうところとも通じるものを感じました。

また、「聞くための文法」「話すための文法」
「読むための文法」「書くための文法」と分けて考える前に、
聞く、話す、読む、書くの全てに共通して必要な
根幹となる文法というものがあるのではないか、
そうだとすれば、それをまずメインとして学習者に教えるのが
初期は効果的で、野田先生のおっしゃる4分野それぞれの文法というのは
一定以上の日本語力を身に着けた学習者に
穴埋め的に教えていくという位置づけになるのかな、
という思いも持ちました。

何の予備知識もない私の凡庸な頭では、
そのぐらいの理解しかできませんでしたが、
野田先生の意図はもっと全く違ったところに
あるのかもしれません。

とにもかくにも、私が公開講演会に参加した一番の目的は、

「日本語学界のスーパースター、
 生の野田尚史先生を一目見てみたい、
 あわよくばご著書にサインをもらいたい」

というものだったので、
その願いが半分は叶えられて満足です。
(サインのことは恥ずかしくて言い出せなかった。。。苦笑)
また野田先生にお会いできる機会があれば、
先生にあやかって、少しでもすっきりとした文法を
学習者に示せるように、次回は勇気を出して、
サインをお願いしてみたいとひそかに思うつばめです。
(そんなことより、論文のひとつでも読むべきなんでしょうけどね笑!)





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Last updated  2021/03/08 10:37:33 AM
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