シークレット【はじまりは嵐のように】*リサ・マリー・ライス他
シークレット【はじまりは嵐のように】*リサ・マリー・ライス他*ソフトバンク文庫 ラ3-1はじまりは嵐のように*B・J・マッコール ハンターにくちづけを*アンジェラ・ナイト レディのたくらみ*デジレ・リンゼー 闇の恋人*リサ・マリー・ライス あらすじ闇の世界に生きるニコラスは孤独な男だった。ハンサムで権力もあるが、満たされることはない。そんな彼が心を惹きつけられたのは、テレビタレントのイザベルただ一人だった。ニコラスは彼女に二週間限定の交際を提案するが・・・「真夜中シリーズ」で人気のリサ・マリー・ライスによる作品のほか、吹雪で閉じ込められた空港での運命の出会い、夫と友人との危険な三角関係など、秘密の恋をテーマに贈るドラマティック・ラブストーリーズ。独断と偏見言わずと知れた短編集、言わずと知れた抱き合わせ本来ならお目当ての作家以外目も通さずに打ち棄てておくのでございますが今回なぜか虫の知らせで全て読んでしまいましたの・・・虫の知らせ?いいえ、そんなものは無かったのかもしれません。ただ単に、ここしばらくの地雷にすらなりえない【とんでもスカ本】のトルネードに巻き込まれ制御不可能となったスカ本センサー、地雷センサーの誤作動のせいやもしれません。全ての作品が、どうやらエロ重視のショート・ストーリー仕立てのようでございます。HOTとEROTICの境目は何処だ?まるでウォーリーを探せ!のように読者の観察力、注意力を試すかのような訳わからん短編集でございました。はじまりは嵐のように*B・J・マッコール 嵐で足止めくらった男と女、出会ったときから運命を感じた男と運命を感じながら、運命と男の人間性を信じられず名前も告げず逃げ出した女お決まりの「行きずりの相手は新しい上司だった!」しかしこの上司、ただ追いかけるだけじゃなく(いやもうストーカーですから)家族を奈落のそこに突き落とし「じいちゃんの勧める相手と結婚するよ」⇒あっさり約束反故会社での立場をくずかごに放り込み「体で地位を勝ち取ったと言われたくない」(byヒロイン)⇒会社放り出してトンズラ出会いからやり直そうと「普通の男女のデートをしよう」⇒今更お行儀よくドアの前でおやすみなさいまぁ、ありがちなストーリーですが結構短編でうまく纏め上げてましたわ。ハンターにくちづけを*アンジェラ・ナイト これは・・・今はやりのパラノーマルですが、中々新鮮な切り口で引き込まれましたの。まず、妻をヴァンパイアに惨殺されヴァンパイアと言うヴァンパイアを「悪」と決め付けヒロイン(本業・ヴァンパイア)の命を狙うハンター(本業・海軍特殊部隊隊員)ここに王道ロミジュリ要素、ヒーローの葛藤が涙をそそるほどに・・・笑わせます(いや、笑っちゃいかんから・・・)さらに、実はヒーローは30年ほど前に悪役ヴァンパイアに殺されたヒロイン旦那の生まれ変わり。挙句の果てにヒーローってばヴァンパイアの輪廻転生の輪っかの中でもがきたおす。運命の吸血鬼(勝手にワタクシが命名)コレもひとつの愛の形でしょう、ということで進んでヒロインと同じ道を選んでメデタシメデタシのパラノーマル。レディのたくらみ*デジレ・リンゼーありがちな内容なのに・・・ゴメン、カンベン、この話だけカッターで切り取って無かったことにしてもいい?子供が出来ない夫婦が親友(♂)に「子種を頂戴!原始的な方法で・・・」うげぇ~~、しかも、結婚前に夫か親友かで迷った挙句夫と結婚したイワク付そのうえ「私はいまだに彼に想いを・・・」親友も「実は思いを断ち切れなかった・・・」で、なにか?妻はノリノリで誘惑してるのに親友は騎士道精神発揮して丁重にお断りするってか?で、それが気に食わなくて(貴族なのでどうしても子孫がいる・・・?)場末の娼館で何処の馬の骨ともわからん男に「子種を頂戴」だぁっ?現代物の精子バンク騒動ですら「身元はわからないけど、髪の色と目の色と、犯罪者でないのだけはわかっているの」そしてふたを開けたら、シークだったり、貴族だったり、CEOだったり・・・ラストは綺麗にまとめてありますがもうその頃には読み手の心は離れてて「今更3人がきれいごとを並べても遅いんだよっ!」・・・この場合読者に対しては秘密を最初に知らせるほうが購読意欲がそがれずにいてよかったんじゃないかと思うのですがデジレさん、編集さん、いかがなものでしょう? 闇の恋人*リサ・マリー・ライス コレはもう!安心して読めるリサ・マリ節でございました。裸一貫、いえいえ、虫けらからのなりあがりヒーローワケアッテ、二週間しか欲しい宝物を手中に納めることができない実はヘタレな大型ワンコ対してヒロイン苦労は知ってます。そこのところオープニングのヒーローとヒロインパパの対峙でうまく全てを表現してます。さすがリサと感心いたします。ヒロイン何があっても、へこたれません、か弱そうで実はかなりのしっかり者、ここはいつものリサヒロインです。短編なのでいつもに比べHOT描写は抑え気味ですが全体のストーリーとしては何があってもヒロインを守るワンコと火事場のバカ力を発揮して末永く幸せを掴み取るヒロイン。良い仕上がりでございました。とりあえずこの作品だけでも購入価値はありますが・・・個人的に三作目がなければもっとHappyな気分で今日一日が過ごせたのではないかとかなり残念な思いがふつふつと・・・